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- 2024/07/23 掲載
EVユーザー約5割が「ガソリン車に戻りたい」……問題はやっぱり「充電」だった
連載:米国の動向から読み解くビジネス羅針盤
46%が「ガソリン車に戻りたい」と回答
そして、コンサルティング大手のマッキンゼーが6月に発表した調査においては、現在米国でEVを保有する層の46%が「ガソリン車に戻りたい」と答えている。その大きな理由として挙げられるのが、充電網の整備が進んでいないことだ。特に公共の充電ステーション不足は深刻で、EV購入に前向きな消費者をためらわせる要因になっている。
その充電ステーションについて、米エネルギー省によれば全米で約6万7900軒が設置済みという。それらの施設には、公共の充電器と、限られたユーザーのみが使える充電器の合計18万8600個が備わっている。ちなみに米国石油協会(API)のレポートによれば、全米のガソリンスタンドの数はおよそ14万5000軒で、給油ノズルの数は150万個だった(図2)。
EV充電ステーションとガソリンスタンドの数を比較 | ||
設置場所の数 | 充電器・給油ノズルの数 | |
全米のEV充電ステーション | 6万7900 | 18万8600 |
全米におけるガソリンスタンド | 14万5000 | 150万 |
とは言え、EV充電ステーションは、2020年のわずか2万9000軒から、2024年には倍以上になっており、大きな進歩を遂げている。しかしその実態は、主にEVオーナーの多い大都市部に集中しており、特にEV普及率の高い西海岸と東海岸にはより多く設置されている(図3)。
どのような都市や小さな町にも当たり前のように存在するガソリンスタンドと比較して、EV充電ステーションは都会を一歩離れるとその数が圧倒的に少なく、都市部以外におけるEV販売の足を引っ張る結果になっているのだ。
【次ページ】増設を妨げる「4つの障壁」、「ホンダら」に動きも?
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