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- 2023/10/26 掲載
日本もEV時代完全到来!トヨタやホンダ、スバルの本気続々、モビリティショー3つの傾向
「ジャパンモビリティショー2023」レポート
数字に表れる、日本車を待ち受ける厳しい未来
2023年上半期の時点で世界のBEV(バッテリー電気自動車)の累計売上をメーカー別で見ると、1位テスラ、2位中国BYD、3位VW(フォルクスワーゲングループ)、4位SAIC(中国とGMの合弁会社を含む)、5位ジーリー・ボルボグループで、残念ながら日本のメーカーはトップ10にも入っていない。2023年上半期BEV売上:メーカー別ランキング | |||
順位 | 企業 | 累計売上 (ドル) |
シェア (%、カッコ内は前年) |
1 | テスラ | 88万8,879 | 21.7(19) |
2 | BYD | 61万5,064 | 15(11) |
3 | フォルクスワーゲングループ | 31万1,359 | 7.6(7.3) |
4 | SAIC | 30万8,899 | 7.5(10.8) |
5 | ジーリー・ボルボグループ | 23万6,847 | 5.8 |
(データ出典:米インサイドEV社) |
一方、ガソリン車を含めた自動車販売台数では、2022年の世界1位はトヨタ、2位VW、3位現代起亜、4位ステランティス、5位GMで、日本のメーカーはトップ10にホンダと日産もランクインしている。この数字で見ると日本のメーカーはまだまだ盤石と言えるかもしれないが、実はテスラが前年比47%増で15位にランクインしている。一方のトヨタは前年比1%増に留まっている。
BEVとPHEV(プラグインハイブリッド)を合わせたプラグイン車両が、2035年には販売車両全体の50%を超えると予想される中で、上記の2つの数字を合わせると日本車の未来はジリ貧になるという予想も立てられる。世界の中でも日本のEV普及率は低く、2022年の時点でまだ全体の2%にも達していない。
海外のモーターショーでは、欧米のメーカーが出展する車の8割以上がEVで新型として発表されるものはほぼ100%EVという傾向が続く中で、日本のメーカーはガソリン車やハイブリッドの新型を発表するなど、独自性を打ち出してきた。しかし世界の潮流には抗えず、ついに今回は日本のメーカーもオール電化に近い形となった。
トヨタをはじめ各社が次世代EVを続々発表、見えた裏テーマ
特にトヨタは、レクサスブランドと合わせ、LF-ZC、LF-ZL、FT-3e、FT-Seという4つのモデルの次世代EVを発表。さらにピックアップタイプのコンセプトモデルであるIMV 0と、これを発展させた形の自由度の高いバンタイプのKAYOIBAKOも発表した。特にIMV 0は、トラック荷台の部分をさまざまにアレンジできる自由度の高い車で、映像で展示されたアイデアの中にはプロペラを取り付けて空飛ぶ車になるというものまであった。
この「空飛ぶ車」が今回のジャパンモビリティショー(以下JMS)の隠れたテーマと言えるかもしれない。大阪万博の目玉として空飛ぶ車での海上輸送やデモ飛行が話題となっているが、モビリティをテーマに、各社が車だけではなく電動バイクや自転車、車いすなどさまざまな移動手段を発表し、空飛ぶ車を展示した企業も少なくなかった。 【次ページ】スバルが発表した空飛ぶ車、ホンダと比べると? 写真多数掲載
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