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アップルが発表したヘッドセット「Vision Pro」は注目を集めたが、今後どのようなアプリやコンテンツが登場するのか非常に気になるところだろう。こうした中、ディズニーがVision Pro向けにコンテンツ制作を開始、またアップルがゲームエンジンUnityと提携するなどしている。Vision Proのアプリ/コンテンツはいったいどうなっていくのか。
アップルがUnityと提携する狙い
アップルが発表したVR/ARヘッドセット「Vision Pro」の発売予定時期は、2024年といわれている。これに向け現在、アプリとコンテンツ開発の環境整備が進められており、数カ月後には、デベロッパーやクリエイターによる開発プロジェクトが本格化する見込みだ。
まず注目したいのは、アップルがVision Proのアプリ/コンテンツ開発に向けUnityと提携したという
ニュースだ。この提携により、Vision ProはUnityで開発されたアプリとゲームをサポートすることになる。
アップル独自のARエンジン「RealityKit」の上に、Unityのリアルタイムエンジンがレイヤー化される仕組みで、これに伴いUnityも新たに開発したPolySpatialというテクノロジーを導入する。
PolySpatialは、デベロッパーに対しポストプロダクションを制限するなどいくつかの制約を課すことになるが、Vision Pro向けのvisionOSアプリとの共存を可能にする。
アップルは、異なるプラットフォームのアプリが共存するこの仕組みを「Shared Space」と呼んでおり、将来的にUnity以外のプラットフォームにも拡張される可能性がある。
アップルとUnityの提携に関する
サンプル映像が公開されているが、この映像では、Unityで開発されたARゴルフゲームアプリがリアルワールドに投影されつつ、もう一方では、アップルのMessageアプリが同時に稼働している様子が映し出されている。
Unityといえば、数年前に一大ブームを巻き起こした「Pokemon GO」の開発エンジンとしても
知られており、同ゲームがVision Pro向けにリリースされる可能性も否定できない。
Vision Proは「Full Space」というモードがあり、これにより1つのアプリだけを表示し、他のアプリを非表示にして「完全没入体験」を生み出すことも可能だ。
アップルとの提携により、Unityアプリはパススルー機能やハンドジェスチャー機能などvisionOSの機能にアクセスできるようにもなるという。
ディズニーもVision Pro向けコンテンツ制作開始
アップルのデベロッパー向けカンファレンスである「WWDC 23」では、ディズニーがすでにVision Pro向けコンテンツ制作に乗り出していることが明らかにされた。ディズニーは、Vision Proの発売と同時に、動画配信サービス「ディズニープラス」で、Vision Pro向けの没入型コンテンツを配信する計画だ。
どのような機能やコンテンツが開発/制作されているのか。WWDC 23では、ディズニーのボブ・アイガーCEO自ら、現在制作中のコンテンツに関する
ティザー動画を紹介している。
まず、スターウォーズをテーマとする3次元空間で映画を視聴する没入体験機能が紹介された。ティザー動画では、映画「マンダロリアン」をテーマとする空間の選択肢が表示され、視聴者がその1つを選ぶと、スターシップに乗り、とある惑星にワープするシーンが披露された。スターシップと惑星は、3次元VR空間となっており、視聴者はあたかもスターシップに乗り惑星にいるかのような体験を味わうとともに映画を視聴できる仕組みとなっている。
次に紹介されたのは、没入型のスポーツ番組視聴体験だ。さまざまなスポーツ番組を複数のディスプレイで表示するだけでなく、スポーツのリプレイを3次元で視聴できる仕組みが披露された。また、ナショナルジオグラフィック番組を360度で体験できる様子やミッキーマウスが飛び出る仕掛けなどもティザー動画で紹介されている。
アイガーCEOは「今後数カ月でさらに多くの情報を共有できる」と
述べており、近々コンテンツ制作のさらなる詳細が明かされる見込みだ。
ディズニーによるVision Pro向け没入型コンテンツ制作の加速に伴い、傘下のスタジオでも没入型コンテンツ制作体制を整える動きが散見されるようになっている。
「スターウォーズ」シリーズや「インディージョーンズ」シリーズで知られるルーカスフィルムは、2012年にディズニー傘下となった映画スタジオ。同スタジオのCG部門であるIndustrual Light and Magic(ILM)では2015年に、没入型エンタメスタジオ「ILMxLAB」を新設し、Vader Immortalなどの人気VRゲームを手がけてきた。このILMxLABは2023年6月1日、同スタジオ名をILM Immersiveに変更したことを
発表した。スタジオ名にイマーシブを加えることで、没入コンテンツ制作分野における存在感を明確にするのが狙いと思われる。
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