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【金融資産所得への課税】石破氏の方針が一転も…
医療保険や介護保険の保険料および自己負担率を計算する場合に、現在の制度では、金融資産所得で分離課税を選択している人が有利になるという問題がある。この問題を調整するために、金融資産所得に対する課税を強化することが検討されている。
石破首相も、自民党総裁就任前には、この問題を検討するとしていた。しかし、就任後は一転して、この問題に手をつけないことにした。他の党からも、この問題に対する問題提起はない。
したがって、総選挙においてもこの問題が争点にはなっていない。つまり、国民はこの問題に対する意見を表明する手段を奪われていることになる。
こうした問題が総選挙の争点になっていないのは、誠に大きな問題だと考えざるを得ない。
【賃金引き上げ】「好循環が始まった」認識は正しいか?
賃金引き上げも、重要な論点として議論されるべきだ。
現在の状況は、賃金と物価の好循環が始まったと認識されることが多いのだが、果たしてその認識が正しいかどうかは疑問だ。生産性の上昇によらず、消費者の負担において賃上げがなされている可能性がある。こうした状況が続けば、コストプッシュインフレに落ち込む危険があることに注意しなければならない。
最低賃金の引き上げに関して石破首相は、全国平均1,500円超えの目標を、2030年代半ばから2020年代に前倒しするとした。中小企業の生産性を高めるため、一定の再編はやむを得ないと石破首相は述べた。この問題に関しても議論がなされるべきだ。
【緊急経済対策の評価】ガソリン・電気・ガス代の補助は?
石破内閣は、年内に大型の経済対策をまとめる方針だ。この問題も、総選挙の論点の1つとして取り上げるべきだ。
問題となるのは、ガソリン・電気・ガス代の補助だ。この補助金は、高額所得者や、業績の好調な企業にも及ぶ。しかも、価格を本来の水準より低下させることになるので、エネルギーの節約にも反することになる。
これまでも、延長や再開を重ねてきたが、継続論が強まっている。公明党は、それを選挙の公約にも割り込んだ。
石破内閣は、経済対策の規模に関して、一般会計の歳出総額で13兆円超になった2023年度の補正予算を上回る規模にするとしている。この財源は、結局のところは赤字国債の増発によらざるを得ないだろう。国と地方の基礎的財政収支を2025年度に黒字化するという目標は、とっくに忘れ去られているようだ。こうしたことで良いかどうかも、総選挙の争点になるべきだ。
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