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- 2023/09/04 掲載
増える地方企業のビジネスマッチング需要、地域金融機関「融資だけでは限界」のワケ
コロナ禍で跳ね上がったオンラインでのビジネスマッチング
地域金融機関による中小企業の事業支援の動きが活発化している。「地方創生」「地域経済の活性化」などを目的とし、地方自治体や民間企業と連携して業務の領域を拡大する金融機関の動きが目立っているのだ。「企業価値の中に、未来を見つける」というミッションを掲げて、全国85金融機関(2023年6月現在)と提携し、中小企業向け経営支援を行っているのがココペリだ。
ココペリの代表取締役CEOである近藤繁氏は、地方にある中小企業のコロナ禍からの変遷をこう分析する。
「コロナ禍の間、多くの企業が苦しんできました。中でも中小企業は地場で完結している企業が多く、かつ既存の取引先との業務を行うのが基本的なスタイルだからです。コロナ禍となり、地場の顧客のニーズが減少した際、解決策が見いだせなくなってしまいました」(近藤氏)
一方、ココペリが提供しているオンラインの取引先支援プラットフォームの利活用状況から新しい動きも見えてきた。
「コロナ禍になって跳ね上がったのは、オンラインでのビジネスマッチングでした。コロナ禍前と比べると、約10倍使われるようになりました。ビジネスマッチングの中身も、商談の依頼が中心です。『新たな販路を開拓したい』『地域を広げたい』『領域を変えたい』との要望が多くありました」(近藤氏)
「領域を変えたい」とは、「BtoBからBtoCに切り替えたい」などの要望を指している。具体例の1つは、以下である。
「これまでは観光施設向けの工事を請け負ってきた建設会社が、観光施設の需要が減ったために、個人向けの建設に切り替えたいとの要望もありました。使う技術は一緒ですが、『販路を持っていないため、パートナーを探したい』とのことでした」(近藤氏)
コロナ禍を経て、オンライン商談を受け入れる土壌ができたと近藤氏は説明する。
「これまで日本の商習慣では、まず先方の担当者と会い、商談を行うのが一般的でした。しかし、コロナ禍になってオンライン商談が増え、コロナ禍による規制が解除されたのちも、オンライン商談は減っていません」(近藤氏)
人手不足が大きな問題、急増したのは「日常的な業務」
近藤氏によると、中小企業によるビジネスマッチングのニーズが大幅に増えているとのことだが、具体的な要望はどのようなものが多いのだろうか。「日常的な業務に関するマッチングの要望が多いです。わかりやすい例で説明すると、地域の食材を卸している企業と、地域の食材を探すECサイトの運営企業とがマッチするケースが目立っています」(近藤氏)
ココペリの提供しているサービスの会員の業種を見ると、もっとも多いのが建設業である。以下、製造業、卸売・小売業、サービス業と続く。規模としては、従業員数30名以下がほぼ8割を占めている。小規模事業者であるからこそ、ビジネスマッチングの必要性が大きくなると近藤氏は説明する。
「たとえば、建設業でも小規模な企業、工務店では人手不足が大きな問題になっています。そのために、『パートナーを探しています』という要望が多くあります。製造業でも、『販路を拡大するために、パートナーを探しています』との要望があり、さまざまなマッチングが成立しました」(近藤氏) 【次ページ】地域金融機関の支援「融資だけでは限界」
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