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- 2024/06/27 掲載
高まる巨大地震のリスクの裏で進む「防災道の駅」開発、意外すぎる4つの事例とは?
高付加価値コンテナとは、3つのタイプ
まず、「高付加価値コンテナ」とはどんな機能を持ったコンテナなのでしょうか。国土交通省が2024年4月に公表した「『道の駅』における高付加価値コンテナ活用ガイドライン」は、「高付加価値コンテナ」を次の(1)(2)の両方の機能を満たすコンテナとして定義しています。(2)従来の活用方法を超えた新たな価値を付加し、平常時・災害時に有効活用できる空間としてのコンテナであること
・搭載型
一般的な海上輸送コンテナや鉄道コンテナを指します。サイズの選択肢が豊富で、内装変更の自由度も高く、経済性や汎用(はんよう)性にすぐれているのが特徴です。主に防災トイレや起業支援のための多目的貸しスペースなどに用いられています。
・自立搭載型
搭載型コンテナにジャッキなどを附属することで、コンテナが自力で昇降でき、フォークリフトやクレーンによる積み降ろし作業を省略できるコンテナです。主に物販や備蓄倉庫などに用いられています。
・けん引型
コンテナを車台に搭載したまま使用するもの(コンテナハウス)と、一般的なトレーラーハウス(居室部分とシャシー・車輪が一体となっているもの)が該当します。コンテナの積み降ろしが不要で、けん引車両のみで運搬することができます。コインランドリーや従業員向けの休憩スペースなどへの活用事例があります。
能登地震でも活躍、さまざまな用途
これらの高付加価値コンテナの可動性のメリットを活かした、道の駅における平常時・災害時それぞれの活用用途として、同ガイドラインには主に次のような例が示されています。コンテナによる 活用用途(一例) |
「道の駅」において想定される使用シーン | |
平常時 | 災害時 | |
トイレ | トイレの増設・分散化 | 避難所等でのトイレ確保 |
入浴・シャワー | コインシャワー等機能の付加 | 避難所へのシャワー設置 |
飲食 | 飲食サービスの付加、強化 | 炊き出し支援 |
物販 | 日用品等の販売 拡張物販スペース |
支援物資の供給 |
医療・診療 | 診療、診察サービスの付加 | 医療拠点の設置 |
幅広い用途に活用でき、移動が簡単で機動的に設置可能な高付加価値コンテナ。特に災害時においては、被災地へ移設しての災害支援機能の提供を図る事例が増えています。
2024 年1月1日に、能登半島を中心とする北陸地方を襲った能登半島地震。マグニチュード 7.6、最大震度7(石川県志賀町、輪島市)の大地震による死者・負傷者などの人的被害は1545人、住宅被害は約11万4000棟に上りました(2024年4月2日時点)。
この地震により、能登半島全域で電気・ガス・水道等のライフラインが機能停止し、発災直後の1月2日には約4万人もの住民が避難生活を余儀なくされました。
その避難生活や復旧支援のため、被災地周辺の避難場所などには合計44 件のコンテナが派遣されました(2024年2月14日時点)。そのコンテナの機能の内訳は、トイレ(31)が最大で、以下、医療・診療(6)、仮設住宅(3)、洗濯(2)、入浴、ソーラー発電(各1)となっています。この中には、平常時は他地域の道の駅に設置されているコンテナを移設した例も含まれています。 【次ページ】「道の駅」における高付加価値コンテナの導入事例4つ
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