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- 2023/10/20 掲載
送料無料・翌日配達は当然なのか?“やりすぎ”宅配に提案したい「3つの有料化」
ECサイトを決める「3つの基準」
皆さんは、どのようなときにECを利用するでしょうか。たとえば重たい水や米を買いに行くのは大変なためECを利用する、といったシーンが思い浮かばれるでしょう。そうした水や米を販売しているECサイトの中から購入先を選ぶ際、優先順位を決めるポイントは以下の3つではないでしょうか。- いつまでに届くか?(リードタイム)
- 配送料がいくらかかるか?(有料or無料)
- 受け取り方法は?(対面受け取り、置き配、宅配ボックスなど)
この3つの観点から、物流が今、どのような状況に陥っているのか見ていきましょう。
(1)翌日配送はもう限界?
先ほど、ECを利用するシーンとして、持ち運びが大変な水や米を一例に挙げましたが、それ以外の利用シーンとしては、「急に必要になったが、買いに行く時間がない」といった状況も多いのではないでしょうか。その際に同じような商品が販売されているECサイトの中から、「いつまでに届くか」「最短でいつ手元に届くか」という観点でサイトを探すと思います。しかし、その「急に」というのは、本当に急を要するものなのでしょうか。消費者の利用を加速するため、「早く届ける」ことに各社競ってきた経緯があります。その結果、消費者の中では、「ECはすぐ手元に届くことが当たり前」といった間違った印象が根付いてしまいました。それが、物流業界にどう影響したのでしょうか。
物流の2024年問題に直面する中、物流で見直しが必要な1つのポイントとして「リードタイムの延長」があります。ドライバーの残業時間上限規制などにより運べる荷物の量は限界を迎え、今と同じ量の荷物を運ぶにはドライバーを増やさなければなりません。ですが、どの業界も人手不足で、ドライバーの確保はさらに困難です。そのため、本来、翌日配達できたものでも難しい状況となっています。
このような背景から、物流企業は荷主企業へリードタイムの延長をお願いしなければなりません。しかし、物流の実態をよく理解していない荷主企業(特に物流に関わりを持っていない部門や経営層など)からは、「ECでは翌日配送しているのに、なぜ自社のリードタイムを延長しなければならないのか」といった声を耳にすることがあります。
しかし、BtoBとBtoCで物流ネットワークはそもそも異なり、同じ土俵で比較すること自体が間違っています。ただ、間違った認識をしてしまった荷主企業が悪いということではありません。物流サービスの過熱がこのような結果を生んだということです。
話を元に戻すと、ECで注文する際に「最短で手元に届く」という選択肢に対して本当に必要としている人はどの程度いるのでしょうか。サービスとしてあるから利用するというのが大半かもしれませんが、社会情勢の変化に伴い、物流サービスを見直していく必要があるでしょう。 【次ページ】送料も置き配も「無料」は当たり前なのか?
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