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- 2024/08/20 掲載
組込型保険の「データ連携」をどう実現する? 考慮したい「項目6つ」「選択肢3つ」
保険領域を含む組込型金融「3ステークホルダー」とは?
従来の保険システムは、ライセンスを持つ保険会社が自ら販売のチャネルと基幹システムを持っていたため、1つのシステムの中にデータが閉じるという性質がありました(実際には、代理店が介在する場合もありますが、話をシンプルにするために割愛しています)。一方で、Embedded Insurance(組込型保険)においては、従来と比べて多くのステークホルダーが登場しシステムが複雑になるため、その設計は重要な要素です。特に、運営主体の異なる複数のシステム間でデータを連携する必要があり、そのデータの連携方法にもさまざまなバリエーションがあります。
現状、組込型保険におけるデータ連携の標準はなく、それぞれのステークホルダーごとにセキュリティポリシーやシステムの制約や思惑の差があります。その落とし所を見つけるのも一筋縄ではいきません。
今回は、組込型保険においてどのようなステークホルダーが登場し、どのようなデータ連携の選択肢があるのかを紹介、実際の組込型保険のシステムにおいてどのようなデータ連携の構成例があるのかを解説します。
組込型保険や、その抽象的な概念であるEmbedded Finance(組込型金融)では、関連するステークホルダーを、ブランド・ライセンスホルダー・イネーブラーという3つの役割に分けています。
ブランドは、顧客接点を持ち、金融サービスを顧客に提供する事業者、つまり保険の販売チャネルです。
イネーブラーは、ライセンスホルダーの金融サービスを、ブランドから利用できるようにするシステムを提供する事業者です。
ライセンスホルダーは、金融機関として、金融サービスを提供する事業者、つまり保険商品の提供者です。
以前の記事で紹介した、投資用不動産マーケットプレイス「RENOSY」内で組み込み型の火災保険サービスの事例においては、以下の構図になります。
- ブランド:RENOSY(GA technologies)
- ライセンスホルダー:火災保険(東京海上日動火災保険)
- イネーブラー:Inspire(Finatext)
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