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- 2023/10/24 掲載
組込型保険はもうからない? LINEやテスラの事例でみる「Embedded Insurance 2.0」
組込型保険はなぜトレンドなのか?
「Embedded Insurance(組込型保険あるいは埋込型保険)」とは、保険をサービスに組み込んで、消費・行動文脈の中で提供していくことで、サービス自体の顧客体験を良くしたり、利用を促進したり、保険の契約促進を図ったりしていくものです。実は、「保険をサービスに組み込んで、消費・行動文脈の中で提供していくこと」自体は特段新しいものではなく、むしろ損害保険の売り方の王道と言っても過言ではありません。たとえば、住宅や自動車を買うとき、あるいは旅行に行くときに保険に入るように促されるのは当たり前だと思うのではないでしょうか。
ではなぜ、Embedded Insuranceが保険業界で注目のトレンドになっているのか。そのカギは「デジタル」にあります。生活や経済活動がデジタル化していくことに伴い、保険もさまざまなデジタルサービスに組み込まれて提供されるようになってきました。
しかし、対面販売に最適化されたシステムや業務をデジタルに適応させるには多くの課題があり、保険会社や新興企業が日進月歩でそれを克服しながら、よりよい顧客体験を目指しているのが現在の状況です。
「Embedded Insurance 1.0」とは?
はじめに、これまでのEmbedded Insurance、すなわち「Embedded Insurance 1.0」について振り返ります。「Embedded Insurance 1.0」の典型例は、「旅行予約サービスに組み込まれたキャンセル費用保険」です。旅行を予約する際に「体調を崩したらどうしよう。直前だとキャンセル料も高い」と考えたことがあるかもしれません。こうしたユーザーに「万が一旅行を取りやめることになってもキャンセル料を補償します」という保険を同時に提案することで、不安を減らし予約を後押しします。
この「Embedded Insurance 1.0」のポイントは「組込先のサービスと一体化していかにシームレスに保険加入を可能にするか」です。
筆者が所属するフィナテキスト(Finatext)の場合、キャンセル費用保険を手掛ける際に以下を目指していました。
- シンプルな補償・単一プランで提案(ユーザーの理解を促し、操作工数を増やさない)
- 保険の説明を組込先のWebサイトに埋め込み、チェックボックスだけで加入意思を確認可能に(ページへ遷移を避け、少ない操作で契約できるように)
- 契約者情報入力や決済の手続きは、組込先のサービスの手続きと一体化(保険申し込み用の手続きが追加で発生することを避ける)
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