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第2回は、金融サービス仲介業を巡る潮流として、顧客インターフェースを担うプラットフォーマー(ポータルサイトや大規模ECサイトなど金融以外の顧客基盤を持つプラットフォーマー)と地域金融機関との金融サービス提供過程における連携について、議論が展開されました。今回は、こうした潮流を保険業に即して矢野経済研究所 ICT・金融ユニット 主任研究員 山口 泰裕氏、ブレインパッド 執行役員フィナンシャルインダストリー担当 神野 雅彦氏、金融庁 総合政策局 金融サービス仲介業室・電子決済等代行業室 丸山 英敏氏が議論します。
執筆:金融庁 金融サービス仲介業室・電子決済等代行業室 監修:栗田 亮
執筆:金融庁 金融サービス仲介業室・電子決済等代行業室 監修:栗田 亮
プラットフォーマーと保険会社が連携すべき潮流
丸山氏:顧客インターフェースを担うプラットフォーマーとの連携事例は、保険分野でも、たとえば
組込型保険などとして登場しています。典型的には、航空会社や旅行代理店、ECサイトが手掛ける航空チケットのキャンセル保険、あとはB2Bでは、Shopifyが提供するeコマース事業者向けのプラットフォームを通じた保険サービスの提供などです。
こうした流れは、第1回の議論でもマーケティングコストの抑制や商品差別化に有効である旨の言及がありましたが、
「日本における組込型保険の市場規模もまた、着実に拡大し続けるとの予測が一般的」とされています。まずは、この流れをどう受け止めていますか。
山口氏:プラットフォームとの連携の流れは、時として「黒船来航」のようなプレッシャーと受け取られがちですが、意味するところは、プラットフォーマーと連携すれば「新結合」というか、できることが広がり、保険会社が抱えるさまざまな課題を解決できるようになる、ということだと思います。
たとえば、生保では、契約時の対面のニーズが重要であるのはご存じの通りですが、顧客接点が契約時と保険金の支払時という2回に留まりやすいことが挙げられます。
この点、顧客の各種健康関連データ(例:商品の購入履歴、血圧などのバイタルデータ)を継続的に把握しうるプラットフォーマーと連携することで、個々人のライフスタイルに沿った保険商品の設計が可能となる可能性があります。
神野氏:顧客の生活と接点を持つサービス、特にウェアラブル端末の急速な普及がこうした動きを後押ししています。データ視点で考えると、プラットフォーマーなどとの連携によりこれまでよりも多くのデータ流入ポイントが増えて、保険会社自身が保有できる情報量が増えていきます。それらのデータ/情報を活用して、新商品開発や商品選択の柔軟性向上などが期待できるかもしれません。
山口氏:そこでのポイントはデータを活用したカスタマイズ商品の設計ですが、他にも、プラットフォーマーと連携することで、生保はこれまで試行錯誤を重ねてきた若年層(20代、30代)への顧客基盤の拡大なども期待できます。
【次ページ】保険会社×プラットフォーマーの事例とは?
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