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- 2023/09/12 掲載
金融庁らと語る「金融サービス仲介業×保険」、「レイヤー化」で差別化を
前編はこちら(この記事は後編です)
金融サービス仲介業と保険
丸山氏:金融サービス仲介業の商品取扱範囲が限定的な点もあり、保険会社側のスタンスが明確になっていない、という議論がありました(前編)。それ以外にプラットフォーマーとの連携に当たってどういった課題があるのでしょうか。山口氏:これも経路依存性の一側面ですが、保険契約管理システムは、保険業法の所属制の枠組みを前提に、保険加入から保険金支払いまでの業務フローを、一つのシステムで管理できるよう設計されており、このシステムが硬直な作りになっているため、中間レイヤーの参入が困難となっています。
たとえば、保険料の徴収はこれまでは保険代理店が行うことが一般的でしたが、金融サービス仲介業者が商品の説明のみを行い、保険料の徴収を行わないケースには対応できないなどです。
また、大手を中心に一部の保険会社でクラウド化は進んでいるものの、保険会社では一般的にクラウド化やAPIの活用が進んでおらず、外部連携に必要なテクノロジーの活用が進みづらい状況です。たとえば、販売チャネルでの課題としては、保険会社とのデータ連携が十分ではなく、顧客に近いプレーヤーのデータを商品開発に反映できていません。
こうした状況に対して、フィナテキスト(Finatext)やジャストインケーステクノロジー(justInCaseTechnologies)などのイネーブラーが、新たにクラウド基盤の連携に適した保険契約管理システムを保険会社に提供し、外部プレーヤーとの連携を促している動きもあります。
神野氏:確かに多くの保険会社が、新しいテクノロジーを採用しようとしても、さまざまな壁に当たり、タイムリーな対応ができないという悩みをよく耳にします。
金融システムは堅牢であるべきというスタンスを守り続けているがゆえに、新しいことへの挑戦が難しくなっています。会社として何を目的として明確化し、実行するかが重要で、ただ「守る」だけでなく、「攻め」も意識して、戦略的に自社のプライベートクラウドにシステムを構築する保険会社もあります。
また、デジタルやデータ活用が活性化する中で、競争と共有のバランスが改めて重視されてきていると思います。外部連携は、自身のサービスをオープン化・共通化していくことにつながります。
しかし、先のとおり、差別化や競争を意識しすぎて、オープン化に躊躇(ちゅうちょ)がでてきます。この点の意識転換を促すには、まだまだ時間がかかるかもしれません。 【次ページ】連携するプラットフォーマー側の課題とは?
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