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- 2023/11/28 掲載
組込型保険の「作り方」とは? 開発の考え方やポイントを解説
組込型保険の事例:「サービス組込型キャンセル保険」
前回の記事では、「Embedded Insurance(組込型保険)」の新たな動き「Embedded Insurance2.0」について紹介しました。では、「組込型保険」を実現するには具体的にどのような点に気をつけるべきなのでしょうか。ここからは「組込型保険」の作り方を、筆者が取締役を務めるスマートプラス少額短期保険の「サービス組込型キャンセル保険」を例に説明していきます。今回は概説編です。
「サービス組込用キャンセル保険」は、コンサートなどのイベント、レストラン、テーマパーク、旅行、宿泊など、予約を必要とするさまざまなサービスに組み込むことができるキャンセル保険です。2023年9月現在、宿泊予約やレストランなど5つの予約サービスに導入されています。
コンサート・イベント、レストラン、テーマパーク、旅行・宿、交通機関、出張写真など・サービス
●「サービス組込用キャンセル保険」導入サービス(2023年11月現在)
「組込型キャンセル保険」が目指した2つのゴール
「サービス組込型キャンセル保険」の開発にあたり、私たちは2つのゴールを定めました。1つは「多様かつ多数のサービスに組み込めるようにすること」、もう1つは「シームレスな顧客体験を実現すること」です。「多様かつ多数のサービスに組み込めるようにすること」を目指した理由は、従来型のビジネスモデルとは異なるビジネスモデルを構築したかったからです。
大手サービス企業と組み、フルオーダーの保険商品とシステムを開発する従来型のビジネスモデルは相応の利益が見込めますが、組み込み先となるサービスや提供できる保険の候補がそれほど多くありません。
それよりも間口を広げて、規模にかかわらず多くの幅広いサービスと組めるようにすれば、ニッチな保険でもロングテール戦略で収益を上げられると考えました。
「シームレスな顧客体験を実現すること」は、組込型保険にとって避けて通れないテーマです。たとえば、旅行予約サイトと保険の申し込みページのデザインが大きく異なっていると、「保険屋に飛ばされた」「遷移させられた」というネガティブな違和感が生じて顧客体験が損なわれてしまい、結果として保険加入に至らない可能性が高くなります。
なるべく自然に、サービスの利用の延長線上で「確かにちょっと不安があるからキャンセル保険に入っておこうかな」と保険の動線に入ってきてもらえるよう、さまざまな工夫を凝らす必要があります。
これら2つのゴールの実現には、以下の3つのチャレンジがありました。
- (1)どんな保険商品を組み込むか
- (2)組み込み先サービスの提供企業といかにスムーズに連携するか
- (3)目指す姿をどのようにシステム的に実現していくか
各チャレンジにどのように取り組んだのかを、具体的に見ていきます。 【次ページ】どんな保険商品を組み込むか? 開発における「攻守」とは
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