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- 2023/09/21 掲載
「Web3と言わない」導入進む、三井物産や上新、ロッテの事例とは?
「トークン化して終わり」ではない
「いわゆる『ブロックチェーン感』のあまり強くない、既存ユーザーに使ってもらいやすいサービスが次々に現れてきました」──日本セキュリティトークン協会代表理事・増田剛氏は、セキュリティトークンとエンタープライズの関係の変化についてこう語ります。セキュリティトークンはブロックチェーン技術を活用して発行されたデジタル証券。2019年5月に設立された日本セキュリティトークン協会はスタートアップや金融機関、商社を含む非金融領域の事業者らで構成され、セキュリティトークン市場の健全な発展に向けた勉強会や普及啓発活動を実施しています。
「この1~2年、国内でもセキュリティトークンに関連する多くの実証実験が行われ、さらにその次のステップとして商業ベースのプロジェクトも相次いで立ち上げられる中、Web3のスタートアップだけでなく、銀行や証券会社、不動産事業者といった、いわゆるお堅い業界や企業もこうした動きの担い手となっています」(増田氏)
社債については、2022年に丸井グループが国内事業会社初の公募自己募集型デジタル債発行したほか、不動産領域では不動産を担保にしたセキュリティトークンについて、三井物産とケネディックスの実績があります。この7月、ケネディクスは不動産のSTOにより国内最大の134億円の調達に成功しており、「今後もリアルワールドのアセットのトークン化は広がっていくだろうと期待できる状況」(増田氏)といいます。
セキュリティトークンをめぐっては大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)が23年11月にも、国内初の専用取引所開設を予定。個人投資家が取引に参加しやすくなることで、セキュリティトークン市場がいっそう拡大することが見込まれていますが、増田氏は「今はまだ『証券化して終わり』というものが多い」と課題認識を示します。
増田氏は、「トークン化してから、そのトークンを持ってる人にどのようなベネフィットをもたらすのか、真剣に考えるべきフェーズに移っているといえるでしょう。トークン化によって誰がその証券を持ってるのかを補足しやすくなるので、マーケティング、投資家を含むステークホルダーとの対話、CRM(顧客関係管理)の観点でも、新しいものを作り出していくよりパワフルな展開ができるのではないかと期待しています」と指摘しました。
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