TIプランニング代表取締役 池谷 貴
編集などの仕事を経て、カード業界誌の版元において、雑誌編集、プランニング、セミナー、展示会などの運営に携わる。電子決済、PCI DSS/カードセキュリティ、ICカード、ICタグなどのガイドブック制作を統括。2009年11月にマーケティング、カード・電子決済、IT・通信サービスなどのコンサルティング、調査レポート・書籍の発行、セミナー運営、ポータルサイト「payment navi(ペイメントナビ)」「PAYMENT WORLD(ペイメントワールド)」などのサービスを手掛けるTIプランニングを設立した。
いま世界中で、「ウォレットサービス」が静かに火花を散らしている。AndroidやiOSが稼動するスマートフォン上で、クーポンやポイントなどの複数の機能が一元管理できるとあって、利用者からの期待値も高い。グーグル、MasterCard、Visaなどは既に一部で商用サービスも展開し、これをPaypalやsquareなどの新興企業が追随している。Paypalのデビット・マーカスCEOは、「NFC技術を利用したモバイル決済が徐々に終焉を迎える」との予測を出し、業界内に波紋を広げている。そんな中、国内唯一の国際ブランドでもあるジェーシービー(JCB)では、2013年から「モバイルウォレット」型サービスの実証実験を開始した。今回は、世界各国で広がりを見せる「ウォレットサービス」について紹介したい。
2012年の電子マネー/ポストペイビジネスは踊り場を迎えたといっても過言ではない。「Edy」「Suica」「PASMO」「ICOCA」「nanaco」「WAON」といった電子マネー、「iD」と「QUICPay」といったポストペイの発行枚数は日本の総人口を上回り、高齢層や女性・主婦層、そして小規模小売店に広がり、いよいよ実際の生活シーンに浸透したと言える。決済総額2兆円の消費マネーはどこに向かっているのか。決済1兆円を突破したイオンの上山政道氏、本日から社名/サービス名を変更した楽天Edyの宮沢和正氏など、主要電子マネー6社のキーパーソンに話を聞くとともに、NFCやシンクライアント化する決済端末などの関連動向を紹介する。