- 会員限定
- 2024/03/13 掲載
なぜBYDは世界を獲れた?「BYD・テスラ・VW」3車分解比較で判明、圧倒的コスパの秘密
爆速成長中のBYD、欧州市場でさらなる飛躍の予測
中国の自動車大手BYDのEVが日本でも徐々に売れ始めている。特に2023年9月にDOLPHIN(ドルフィン)を投入後、11月には月間登録台数が初めて200台を超えた。対抗する日産リーフは少ない月でも400台を割ることはなく、2023年は1万26台を販売しているため、まだまだ差は大きいが、BYDが追いついてくる可能性もある。躍進を続けるBYDが、さらに大きく飛躍をする可能性があるのが欧州市場だ。
スイスの金融機関UBS傘下のUBSエビデンスラボが、衝撃的なレポート「BYD teardown:Will Chinese EVs win globally?」(BYD分解検証:中国EVはグローバルで成功できるか?)を公開している。
このUBSの予測によると、現在のシェアが3%である中国メーカーは2030年には20%にまで飛躍をするという。フォルクスワーゲン(VW)、ルノーなどのグローバルメーカーは欧州市場でのシェアを現在の95%から70%にまで落とし、グローバルサプライヤーとともに大きな打撃を受けるという内容だ。
UBSエビデンスラボでは、過去、テスラのModel 3、VWのID.3を分解して検証した実績があり、今回、BYDの「海豹」(SEAL:シール)を分解して検証を行った。製造コストを比較した結果、BYDを始めとする中国メーカーが大きく躍進すると予測をしたのだ。この予測が現実のものとなると、自動車産業界は大きな戦略変更、再編などを迫られることになる。
実は再エネ大国の中国、EV化率では欧州上回る
欧州では発電の脱炭素とEVシフトをセットで進めており、EUでの化石燃料による発電割合はすでに35.9%にまで小さくなっている。2022年のEV化率は17%。
2035年にはガソリン/ディーゼル車の販売が禁止され、それ以降は、温室効果ガスを排出しない自動車しか販売できなくなる。
つまり、発電でも自動車でも温室効果ガスを出さないという世界観を描いている。これを背後から追いかけているのが中国だ。
2023年、中国は発電設備容量で初めて火力が50%を切った。これは発電設備容量の統計であり、太陽光や風力などの再生可能エネルギーは容量100%の発電ができるわけでないが、それでもこの数年、中国は猛烈な勢いで太陽光発電を増やしている。EV化率は欧州を上回る25%。今後、国際的な環境会議でも中国の発言力が増していくこともあり得る。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR