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- 2022/09/08 掲載
フィッシング詐欺が最多、NFT盗難被害は140億円超。最新調査で分かったNFT被害の現状
1年で1億ドルの盗難被害
Ellipticによる最新レポートによると、2021年7月~2022年7月のNFTの盗難被害額が1億ドルを超えたことが判明した。盗難1件あたりの被害額は30万ドルに上る。同期間におけるNFT単体での最大被害額は「クリプトパンク#4324」の盗難事件。このNFTは、盗難後すぐに49万ドルで売りに出されていた。
一方、個人が被った最大被害額は210万ドル。この事件では計16件のブルーチップNFTが盗まれたという。
Ellipticは、上記被害額は公表されている盗難事件によるもので、公表されていないケースも多く、実際の被害額はこれより大きくなるだろうと指摘する。また、現在NFTの盗難手口で最も多いのはフィッシングだが、手口は巧妙化しており、暗号通貨/NFT市場が低迷している中でも盗難件数は増加傾向にあると注意を促している。
NFT市場の現状
ここで一度、最近まで盛り上がりを見せていたNFT市場の現状をお伝えしたい。日本でも話題になることが増えた「NFT」。海外で急速な盛り上がりを見せたのは2021年夏ごろだ。
英ガーディアンが7月2日に伝えたChainalysisのデータによると、1カ月あたりのNFT販売額は、2021年7月時点で20億ドルにとどまるものだったが、翌8月には100億ドル近くまで跳ね上がった。その後、70億ドル前後で推移し、2022年1月に126億ドルとピークに達した。
一方、リセッション懸念などから、リスク資産の回避が始まり、これが暗号通貨/NFT市場にも波及、NFT販売額は下落を続け、2022年6月にはピーク時の1/10以下、10億ドルまで下がっている。
NFTのピーク時には、ツイッター共同創業者のジャック・ドーシー氏の初ツイートのNFTが290万ドルで落札されるなど、強気の取引が成立していたが、現在は下火の状況となっている。2022年4月時点の報道によると、ドーシー氏のツイートNFTが販売に出されたが、最高額が1万4,000ドルしかつかず、販売は中止されたとのこと。
一方、Bored Apeなど「ブルーチップ」と呼ばれるNFTコレクションの価格は安定している。DappRaderの分析では、Bored ApeのNFT価格は、最低価格9万ドルを維持、下落率は1%にとどまっている。
【次ページ】NFT盗難の主要手口とは
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