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非競争領域で保険ビジネスが激変、住友生命の今後とは?
住友生命が推し進めるウェルビーイングを巡るエコシステムの構築に向けた動きがより明確となった。
日本生命や第一生命は、PMI(Post Merger Integration、買収後の経営統合作業)の成功如何を注視していく一方、2018年にVitalityの導入を機に一足先に勝負に出た住友生命は、今回の中期経営計画2025を見る限り、より明確な成果が求められるフェーズに入ったとみてよいだろう。
特に今後をVitalityの動向をみていくうえでのポイントとしては、健康増進を軸としたデータ取得および活用である。
直近、住友生命はVitalityのデータ分析基盤として米Snowflakeの「Snowflake」を採用した。これは裏を返せば、Vitality単体で分析に値するデータ量を確保できる確証を得られたともいえる。いよいよ明確な成果、すなわち会員数に留まらず、本格的にVitalityデータを分析、今後、新たな保険商品やサービスの開発に向けて取り組んでいくものとみられる。
注目すべき動きとして、他業種とタッグを組み、非保険領域を含む、新たな顧客価値の創造をめざす「デジタル共創プロジェクト」がある。
第1弾として2024年9月にサントリー食品インターナショナルとともに、住友生命社員のうちVitality会員向けに分析データの取扱いなどについて同意を得た上で、1カ月間「伊右衛門 特茶」の「特茶無料引換券」を毎週1回、提供するキャンペーンを開始。特茶を摂取しながら健康増進活動を実施した際の健康効果や健康意識の変化等を両者で分析していくという。
従来から蓄積しているVitalityデータと併せて、同プロジェクトを通じて第2弾、第3弾と外部企業と連携し、商品との連携による実際の健康増進への効果を検証したうえで、健康増進に寄与する商品の購入を通じたVitalityポイント付与へとつなげていくものとみてよいだろう。
10月25日にも、日々の暮らしを豊かにするお得なクーポンをVitality会員自身が選択できる「Vitalityチョイス特典」を発表している。同特典の中には、先述の「伊右衛門 特茶」や「GDO ゴルフ場予約クーポン」など、割引クーポンのラインアップを取りそろえており、今後も拡充していくとみられる。
非保険領域へのアプローチにおいて、第一生命やSOMPOひまわり生命のようにエコシステム型を選択した生命保険会社が登場する中、住友生命が今後、どのような独自のエコシステムを描いていくのか、引き続き注目していきたい。
少し踏み込むと、2021年5月に銀行法や保険業法などの改正が行われるなど、近年、業務規制範囲の緩和に向けた動きが進んでいる。
保険会社が健康増進や重症化予防などに向けた取り組みを進めるうえで、業務規制に当たる内容が出てくる可能性はあるだろう。一方、住友生命を筆頭に、新たなチャレンジを続けるなかで、更なる規制緩和に向けた動きが加速することもあり得る。そうした面でも住友生命をはじめとした保険会社のチャレンジングな取り組みに期待したい。
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