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- 2024/05/08 掲載
日本生命の中計が激変、ニチイHD買収後「非保険領域」で何を目指すか?
日本生命の中期経営計画から読み取れること
日本生命が2024年3月に中期経営計画(2024-2026)を発表した。同社がリリース冒頭において「成長角度の引き上げに向けて取組む」と記載している通り、成長への強い意欲を打ち出した内容となっている。具体的には5つの戦略軸──「国内保険事業のバリューアップ」「国内における安心の更なる多面化」「海外事業の拡大」「財務戦略のステージアップ」「強固な経営基盤構築」を挙げたうえで、軸ごとに施策を打ち出している。
筆者は今回、5つの戦略軸に係る取り組みについて、大きく3つの点──「営業力の強化および効率化」「非保険領域におけるサービスの強化・拡充」「IT基盤の強化」に注目した。
まず「営業力の強化および効率化」である。従来の直販や代理店に留まらず、インサイドセールスチームを約2倍に拡大する取り組みを打ち出すなど、より厚い営業体制を構築していく考えである。
次に「非保険領域におけるサービスの強化・拡充」である。こちらは2023年11月29日に買収したニチイホールディングスの持つアセットを中心に据えた、子育てや介護を中心とした非保険領域のサービス強化を挙げている。
筆者が前回、「第一生命HDとベネフィット・ワン買収において実際のシナジー効果を含めた成果はここ3年程度が勝負」と記載したように、正しく今回の中期経営計画の3年間の間で成果を出していく考えである。
そして最後に、「IT基盤の強化」である。生命保険業界は、M&Aの歴史であるため、システムも複雑化(スパゲッティ化)しているとされる。近年ではクラウド化に向けた動きがあり、第一生命や住友生命を筆頭に動き始めている。こうした動きが日本生命においても始まることが想定される。
この図は各々のポイントごとに、中期経営計画の内容を簡単にプロットしたものである。
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