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- 2023/03/27 掲載
教師は無用に? 生成AIがもたらす「学校の終焉」、これからの教育に“超重要なこと”
連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質
レポート課題を生成系AIで……。突きつけられた教育問題
生成系AIが学校教育に重大な問題を突きつけている。レポートの課題や卒業論文などを生成系AIに書かせる学生が増える可能性があるからだ。それらを使って課題を済ませてしまえば、学生は自分でレポートを書かなくなり、思考能力が失われるという意見だ。また、学校側が学生の能力を評価できなくなるという意見もあるだろう。
しかし、私はこの考えは間違いだと思う。
これは、禁止するだけで済む話ではない。重要なのは、第1に生成系AIの限界を教えること。そして第2には、その上で生成系AIの使用を認め、その使い方を教育することだ。そして、そうしたことを前提として、学生の能力を判別できるような試験をすることだ。
重要なのは、教育が変わらなければならないということであり、新しい技術を頭から否定することではない。
学校は生成系AIを禁止にすべきか?
生成系AIを用いたレポート作成を禁止した場合に、次のような質問が学生から出たら、学校側としてはどう答えたら良いだろう?まず、「生成系AIを使ったかどうかを、どうやって調べるのですか? 使用をチェックすることができなければ、禁止しても意味がないのではないでしょうか?」という質問が出るだろう。これに対しては、「生成系AIの使用は米国でもいま問題になっており、使用したかどうかをチェックできる仕組みが開発されつつある」と答えることが可能かもしれない。
しかし、もっと重要な質問は次の2つのようなものだ。
「生成系AIを使っても、誰もが同じ結果を出せるわけではないと思います。使い方によって、結果に差がでるのではないでしょうか? だとすれば、使い方を教えてほしいと思います」
「この学校で使用を禁止して、隣の学校で積極的に使い方を教えたとすると、隣の学校の学生のほうが良いレポートを作成できるようになるのではないでしょうか? 社会に出たら、これを使うことが許されるでしょう。そうすると、隣の学校の卒業生のほうが良い仕事をすることになってしまわないでしょうか? つまり、これを積極的に活用して知的創造力を増強させるような教育を行う学校の方が勝ちではないでしょうか?」
利用を禁止しても、その実効性の確保は容易なことではない。そんなことに努力するよりは、新しい技術の使い方を教え、それをうまく使えるかどうかを試験で明らかにすべきだ。
新しい技術に背を向けるのではなく、それをどれだけ活用できるかを考えるべきなのだ。 【次ページ】学生に教えるべき超重要なこととは?
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