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「少子高齢化」「低金利時代」「非金融機関の金融業界への参入の増加」など、地方銀行を取り巻く環境は厳しい状態が続いている。地方銀行再編の動きが活発化しつつある中、地方銀行に求められる“行員像”も変化してきた。今後、銀行員にはどのような能力が求められるのか、そのような銀行員をどのように育てれば良いのだろうか。新入行員研修のサポート業務に携わっている、ビジネスコンサルタントのラーニングプラットフォームソリューション部マネジャーの鵜飼裕志氏、営業本部 Relationship Management Sales Directorの松下泰大氏に話を聞いた。
ビジネスコンサルタント 鵜飼裕志、松下泰大
ビジネスコンサルタント ラーニングプラットフォームソリューション部 マネジャー 鵜飼裕志
営業本部 Relationship Management Sales Director 松下泰大
今の「研修」の問題点とは
地方銀行を取り巻く環境はきわめて厳しい状態が続いている。コロナ禍によって人々の働き方やライフスタイルが大きく変化する中で、地方銀行も大きな変革期を迎えていると言っていいだろう。銀行再編の動きも活発化し、ビジネスモデルの構築が不可欠となってきたのだ。
こうした中、地方銀行の行員に求められる資質も変化してきており、それに合わせて新入行員育成の研修のあり方もリ・デザインすべき時期を迎えているのだ。ビジネスコンサルタントで、新入社員育成のサポートに携わっているラーニングプラットフォームソリューション部マネジャーの鵜飼裕志氏は、新入行員研修の現状と課題について次のように語る。
「これまで新入行員を研修所に集めて行ってきた研修が、コロナ禍によって実施できなくなってきたことにより、さまざまな課題や問題が生じています。たとえば、オンライン研修になったことで、新入行員同士がつながりを持てなくなったという話をよく聞くようになりました」(鵜飼氏)
これらの課題が生じている原因は、これまで集合研修で行ってきたことをそのままオンライン研修に置き換えている点にあると鵜飼氏は指摘している。
「オンライン研修の場合、聞き手が画面をオフにすると、受講している様子が分からなくなります。そこで、対面研修よりも多めに受講生のアウトプットの機会を作り、参加する姿勢を確認するタイミングを設けるなど、オンラインの研修にあったプログラムにリ・デザインする必要があります。また、受講者同士がコミュニケーションを取る機会を作ることで、新入行員同士がつながることもできます。このように、新人研修の在り方をリ・デザインするタイミングがきていると考えます」(鵜飼氏)
新入・中堅行員に求められる資質とは
地方銀行が生き残りをかけて変革を進める中、新入行員に求められる資質も変わってきている。新入行員育成のキーワードとして鵜飼氏が挙げているのは、「自律性」と「自発性」である。
「地方銀行の新入行員研修の事務局の方や人事の方と接点を持つ中で、『自律性』『自発性』というキーワードをよく聞くようになってきました。研修する側が一方的に教えるのではなくて、新入行員が自発的に学習する環境を整えることによって、『必要なタイミングで必要なものを自分で学んでね』というスタンスに変わりつつあると感じています。つまり、今後の研修では、すべてを研修の中で教え込むのではなく、『自律性』『自発性』を磨く環境をいかに整えられるかがポイントになります」(鵜飼氏)
ビジネスコンサルタント Relation Management Sales Directorの松下泰大氏は、求められる資質が変わってきているのは、新入行員だけでなく、すべての行員に当てはまることであると指摘する。「現在、金融機関が直面している壁を乗り越えるにはDXが不可欠ですが、その鍵を握るのはデジタルネイティブの若手行員の感性だと考えています。これまで活躍できていた人材にも若手人材と同じく、デジタル化を推進できる能力が求められるようになるでしょう」(松下氏)。
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