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- 2022/06/02 掲載
アマゾンに続きグーグルも、テック大手の給与が今上がっている「納得理由」

グーグルは評価制度を見直し
2022年2月、アマゾンが米国従業員を対象に、基本年収の上限を35万ドル(約4,543万円)に引き上げることを計画しているとの報道があり、さまざまなメディアの注目を集めた。このとき専門家らは、アマゾンの動きがテック業界全体に波及するだろうと予想していた。
その予想通り、2022年5月に今度はグーグルが同様の発表を行い、メディアの関心を集めている。
米CNBCが2022年5月6日付けで報じた情報によると、グーグルは大幅に改定した社員パフォーマンス評価制度を5月の第1週に導入、この新制度による評価の結果として社員の報酬が増加するケースが増える見込みという。
CNBCが確認したグーグル社内ドキュメントによると、この新制度は「GRAD(Google Reviews and Development)」と呼ばれ、評価プロセスを一元化する取り組みの一環として実施されている。
新制度では、これまで年2回あったレビューが1回となり、ピアレビュー(同僚によるレビュー)の割合も縮小されるという。代わりに、マネジャーによるレビューの重要性が高まることになる。
グーグルがこのような決定を下した背景には、米国労働市場全体が「大退職」と呼ばれるトレンド下にあり、売り手市場になっていること、またGAFAMを含めた競合テック企業間の人材獲得競争が激化していることなどがある。
報酬に関する情報が透明化されつつある米国では、競合企業の報酬水準を知ることができるようになっている。このことからグーグル社員の間でも報酬に対する不満が高まっており、同社経営陣にとって非常にセンシティブな問題になっていたという。
グーグルが社内で実施している「Googlegeist」と呼ばれる社員意識調査が存在する。直近では2022年1月に実施され、3月に社内で公開された。この調査結果をCNBCが入手し、その内容を伝えている。
それによると、グーグルの報酬が他社に負けていないと回答した割合は、46%と前年から12ポイントも下落したことが判明。また、報酬は妥当(fair and equitable)であるとの回答は56%で、前回から8ポイントの下落となった。さらに、パフォーマンス評価が報酬に反映されているとの回答は64%で、こちらも3ポイント下落している。
全体的に、市場全体の変化が社員の報酬意識に反映されている結果になった。
マイクロソフトでも高まる給与への不満
アマゾンによる基本年収の最高額引き上げやグーグルによるパフォーマンス評価の刷新とそれに付随する報酬の増加は、競合他社が無視できない動きといえる。実際、CNBCによるグーグルのパフォーマンス評価刷新に関する報道の数日後、Business Insiderがマイクロソフトでも同様の動きがあるというニュースを報じている。
その報道によると、マイクロソフトが今年実施した社内調査で、報酬に関して満足している社員の割合は66%と昨年の73%から7ポイント下落したことが明らかになった。この結果を受け、マイクロソフトは社内一律で報酬を上げることを検討しているというのだ。
昨年リークされた情報によると、マイクロソフトの米国社員(エンジニア)の年収中央値は18万5,000ドル(約2,400万円)で、50万ドル(約6,500万円)に達するケースもあったという。また、エントリーレベルのエンジニアの場合、年収中央値は13万2,900ドル(約1,723万円)、シニアレベルのエンジニアは21万7,000ドル(約2,816万円)だった。
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