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  • 2024/10/29 掲載

3年ぶり改定「顧客本位の業務運営に関する原則」、見逃し厳禁“3つの注意点”とは?

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政府はこの9月、金融機関の行動規範である「顧客本位の業務運営に関する原則」(通称「FD原則」)を3年ぶりに改定しました。以前は仕組債の悪質な販売慣行の問題が注目を浴びましたが、FD原則改定は金融業界の信頼改善につながるのでしょうか? FD原則改定の背景とその中身を、金融事業者側が注意しておきたい3つの注意点とともに解説します。
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「顧客本位の業務運営に関する原則」が3年ぶり改定の中身とは
(Photo:StreetVJ / Shutterstock.com)

「顧客本位の業務運営に関する原則」とは?

 まずFD原則とはどういうものなのか、確認しておきましょう。

 「顧客本位の業務運営」(フィデューシャリー・デューティー=FD)とは、言い換えれば、金融機関は自分たちの利益のために何をしてもよいわけではなく、まずは顧客にとっての利益を優先するべきだという考え方のことです。

 もちろん現実的には、金融機関もビジネスで収益の拡大のためにサービスを提供しているので、自分たちの儲けを丸ごと犠牲にするわけにいかないのは当然のことです。それに、金融機関が安定したビジネスモデルを確立してサービスを提供し続けられないと、あとあと利用者自身が困ることになります。

 そこで一般的にFDという言葉は、金融機関とそれを利用する顧客ができるだけ、お互いに「ウィンウィン」の関係になるようなビジネスを心がけよ、という趣旨といえます。

 そんなFDの考え方を金融業界に浸透させようと、金融庁が2017年に策定したのがFD原則です。顧客の最善の利益を図るために必要な取り組みを示すメインの7項目で構成されています。2021年に初改定、今回が2回目の改定です。

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FD原則

 FD原則は、法令上のルールのように違反すると罰則があるわけではなく、実際に採択を表明して規範に従うかどうかは建て前上、金融機関など民間事業者側の自主判断に委ねられています。

 ただ、金融庁が採択事業者のリストを公開しており、採択しないと悪目立ちしてしまう事情もあり、銀行・証券会社・保険会社など各業界の少なくとも大手、中堅どころはたいてい採択しているのが現状です。 【次ページ】FD原則改定で変わったことは何か?
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