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- 2025/04/03 掲載
【超詳説】Revolutとは何か? その機能や使い方を一気に解説
Revolutとは何か
Revolut(レボリュート)は、2015年に英国ロンドンで生まれた金融サービスだ。さまざまな個人向けの金融サービス(パーソナルファイナンス機能)を備えたスマホアプリがサービスの中心にあり、ここからカード管理、外貨両替、保険、株取引、暗号資産取引、クーポン、送金などが利用可能になっている。日本では現時点で保険や株/暗号資産取引が利用できないため、基本的には物理カードと外貨両替が主力のサービスである。
Revolutカードは、クレジットカードと同様にVisaの国際ブランドが付与されたカードが発行される。アプリ内でチャージをして店頭やオンラインで利用する、プリペイドカードタイプのカードだ。発行されるのはVisaデビットカードなので、機能としてはデビットカードとなる。利用するには、その都度残高のチャージが必要だ。
チャージした日本円を国内外の店頭などの決済で利用することもできるが、それを外貨に両替することもできる。これが2つ目の主力機能の外貨両替だ。
アプリ内で日本円から米ドル、ユーロ、英ポンド、韓国ウォンなど35種類以上。欧州のスイスや北欧などのユーロ未加盟国の通貨も広くサポート。アジアもインドやタイ、フィリピンなどの通貨にも対応している。
あくまで外貨両替で外貨預金ではないため、基本的に日本人だと主に海外旅行時の両替というパターンになるだろう。あらかじめ両替しておき、海外の店頭ではRevolutカードで支払えば、両替した外貨で決済が行われる。
事前に購入していない外貨の国でも、決済時はチャージされた日本円の残高から自動的に現地通貨(150種類以上)に両替されて支払われ、その際の海外事務手数料は0%だ。あらかじめ残高として両替してチャージできる通貨は約35種類だが、それ以外の通貨でも決済自体は可能だ。
さらに両替した外貨は、現地のATMで引き出すこともできる。一定額は手数料無料で引き出せるので、現金が必要になったときにも無駄がない。
メリットは「手数料が極めて少ない」という点。通常は、空港での両替、クレジットカードでの支払いのいずれも、手数料が発生する。Revolutの場合は、基本的に為替取引の手数料はなく(注)、為替相場に近いレートで両替できるため、総額でのコストが抑えられる。

ただし、手数料無料に関しては(注)、スタンダードプランのみ、ニューヨーク時間の金曜日午後5時から同日曜日午後6時まで(日本時間土曜日午前7時から月曜日午前8時まで、サマータイムの場合は日本時間土曜日午前6時から月曜日午前7時まで)は1%の手数料が発生するので(2025年4月22日より有料プランは時間外為替手数料は無料)、両替するタイミングを考え、画面上の手数料の表記を確認して取引を行うといいだろう。
「Revolut」立上げの背景にあるもの
「Revolut」立上げの背景にあるものは何か。実はRevolutが生まれた2015年頃、欧州ではデジタルバンクの新たな動きが生まれており、特に英国では国のオープンバンキング政策として銀行業への参入障壁の緩和が行われ、新興企業の参入が相次いだ。
一部は銀行業の免許を取得して金融サービスを提供するチャレンジャーバンクで、たとえばモンゾ(Monzo)は2015年に設立され、アプリベースのスマホ銀行としてサービスを提供している。他にも2014年にスターリングバンク(Starling Bank)が設立されていて、スマホ銀行がいくつか生まれていた。
それに対して、銀行免許を取得せずに金融サービスを開始する事業者も登場している。その代表格として知られるのがこのRevolutだ。2013年にドイツで設立されたN26も著名だが、のちに銀行免許を取得しており、欧州や米国でこうした新興金融サービスが多く登場している。
Revolutは創業以来、全世界の利用者数が約5000万人に達し、ビジネスアカウントの月間取引高は3.2兆円まで伸びた。世界38カ所にオフィスを構え、時価総額は約6.5兆円にまで成長した。中心的なサービスは外貨両替で、35以上の通貨に対応している。月間トランザクション数は5億にまで達した(いずれも2024年12月時点)。
なお、チャレンジャーバンクやネオバンクという用語は使われ方にややブレがある。一概に銀行免許の有無だけではなく2つがほぼ同じ意味で使われている場合もあるが、あまり明確な区別はないようだ。N26のようにスタート時は免許を持たず、その後銀行免許を取得した例もあり、Revolutも本国で2024年7月に銀行免許を条件付きで取得したということで、あまり用語的な区別は意味がないだろう。
「Revolut」の具体的な機能とは?
「物理カードと外貨両替」だけだと日本でRevolutを利用する必要がないと感じるかもしれないが、他にも便利な機能は多い。発行されたカードは物理カードとして店頭での支払いでも使えるが、オンラインサイトでの支払いにも利用できる。このあたりは通常のクレジットカードと同様だが、バーチャルカードの発行機能が便利。
これは、物理カードのカード番号とは異なるカード番号のバーチャルカードを発行できる機能で、利用シーンに応じてカードを切り替えたいときに使える。特に便利なのが使い捨て(ワンタイム)バーチャルカードの発行で、1回限りの利用で番号が無効化されるバーチャルカードも発行可能。
これなら、利用したサイトでカード番号が漏えいしても、その番号を再利用できないため安全性が保たれる。安全性が確認できない海外サイトや、国内でも一時的に利用したいサイトの場合などに利用するといいだろう。
1回ごとに番号入力が必要になるので、頻繁に同じサイトでショッピングをする場合には向いていないので注意が必要だ。逆に言えば、それだけ安心して使えるということだ。
ワンタイムではないバーチャルカードも作成できるので、特定のサイト限定のカード番号を作っておけば、問題が発生した場合に漏えいした番号を見れば、どのサイトからカード番号が漏えいしたのか分かるし、他のサイトでカードを登録していても番号を変更する必要がなく、漏えいしたサイトのカード番号だけ無効化すれば済む。
カードの無効化が簡単なのも特徴で、アプリから簡単に素早く無効化できる。普段は使わないカード番号であれば、「オンライン利用の無効化」をしておけば、漏えいしても金銭の被害に遭う心配はない。
日本のクレジットカードなどでよくあるポイント方面は特に機能がないが、プランによっては1%のキャッシュバックがあってそのまま残高として還元される。
保険など、日本で提供されていない一部の機能はあるが、日本でもサービスを強化する方針を示しており、今後順次サービスを拡大する移行。金融サービスとしては、銀行免許の取得もしくは銀行との提携によって、さらにチャージしやすくなることが求められるだろう。2024年10月のみんなの銀行と連携して提供開始した「クイック銀行チャージ」はその最初の一つとなった。
金融サービスを1つのアプリに凝縮することがRevolutの狙いだが、そのためにはさらにサービスの拡充を期待したいところだ。
Revolutの料金
Revolutは、基本的なサービスは無料で利用できる。利用できる機能には大きな違いはなく、日本では3つの料金プランから選択できる。カードを発行して店頭やオンラインの決済をする、使い捨てを含むバーチャルカードを発行する、外貨両替をする、海外でATMから引き出すといった機能は全て無料で利用可能。サービス内容の違いは外貨を多額に両替する際の手数料やATM引出手数料の差などで、毎月の国内銀行宛の送金を無料で行える回数にも違いがある。また、メタルプランは決済ごとに1%のキャッシュバックという特典がある。機能的に差異はないので、まずは無料でカードを発行してみて利用状況を見ながら有料アカウントを検討してもいいだろう。
空港ラウンジの割引などトラベルに関する機能や、サポートに関しても上位プランの方が充実している。
Revolutを使う(登録編)
Revolutを利用するには、まずスマホアプリをダウンロードしてアカウントを作成する。アプリを起動すると「Login」「Sign up」の表示になるので、新規作成であれば「Sign up」を選択する。電話番号の入力画面になるので、任意の番号を入力して「アカウントの作成」をタッチする。本人確認書類と一致した氏名や住所などを入力する。Revolutは日本で資金移動業者として免許を取得しており、マネーロンダリングなどの観点から、実際に資金を移動(残高にチャージなど)する場合はきちんと身元確認をする必要がある。そのため、ここで登録する氏名などは身分証明書と一致させる必要がある。
登録が終わるとアプリの利用が可能になる。アプリを起動すると最初にチャージを求められるが、ひとまずチャージは後からでもできるので後述する。アプリ画面にはメインアカウントの残高が表示され、チャージや外貨の両替などのボタン、直近の履歴が並ぶ画面になる。最初は残高が0円で、カードも発行されていないので、まずはカードの発行をする必要がある。ここで言うカードの発行とは、物理のカードを作成するという意味ではなく、アカウントに紐づけて利用するカードを作成するという意味。 【次ページ】Revolutを使う(カード発行編)
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