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- 2023/04/11 掲載
「銀行キャリア採用」の新潮流、「異業界」「官公庁」出身者を求める理由
「これまであり得なかった」採用事例が続々
近年、銀行においては、「従来ではあり得なかった採用」が行われています。主に「コーポレート企画」「事業開発」などのポジションでは、異業界出身者にも門戸を開いているのです。しかも、「管理職」ポジションで迎えられるケースも見られます。実際、メーカー、ネット企業、官公庁などからメガバンクに転職する事例が生まれています。
背景にあるのは、2021年11月の「改正銀行法」の施行です。これに伴い、銀行は本業以外の事業に参入しやすくなりました。マイナス金利政策が継続する中、各行は新たな収益の柱となる新規事業への取り組みを加速。そのプロジェクトを推進できる人材の採用を強化しているのです。
大手ネット企業でアプリ開発を手がけてきたAさん(40代前半)は、メガバンクに新規事業開発のマネジャーポジションで採用されました。
Aさんにとっては他の選択肢も豊富な状況でしたが、「より大きな予算でプロジェクトを動かせる」「銀行がこのテーマに取り組めば必ずニュースになり社会にインパクトを与えられる」──。そんな魅力を感じ、銀行を選んだのです。
銀行の企画・事業開発ポジションにおける採用ターゲットは、IT・ネット業界出身者にかぎりません。コンサルティングファーム出身者をはじめ、業界問わず「0→1」で事業を創り出してきた方々に、銀行への転職チャンスが広がっています。今後もニーズは高まっていくでしょう。
官公庁出身者の「調整力」「プロマネ」に期待
最近、増加傾向にあるのが「プロジェクトマネジメント」「調整力」を求める求人。その中で「官公庁」出身者の方を対象にするケースも増えてきています。銀行では証券や信託事業との企画業務や、銀行の顧客に対して事業再編などの長期にわたる提案をする際、社内外の多くのステークホルダーを巻き込む必要があります。
そこで注目されているのが「官公庁」で経験を積んだ人材です。以前も、官公庁出身者を対象とする求人はありましたが、任せられる役割は「政策渉外」が中心でした。
しかし昨今は、「当局との折衝のコツを知っている」というより、「多様なステークホルダーとの調整力」「プロジェクトマネジメント力」に期待が持たれているのです。
長い時間軸で業界にインパクトを与えるような、「戦略コンサルティング」に近い活動を行う部門においても、官公庁出身者の活躍のチャンスが生まれています。実際、最近では内閣府や財務省で経験を積んだ方が採用に至っています。
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