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- 2023/09/14 掲載
ベトナムEVメーカー「VinFast(ビンファスト)」とは? 一時テスラ・トヨタの次のワケ
ベトナムのVinFastがナスダック上場、一時世界3位に
ベトナムの新興EVメーカーVinFast(ビンファスト)が米ナスダックに上場し、そのときの時価総額が米自動車大手GMやフォードを超えたとして話題となっている。2023年8月15日、取り引き開始時のVinFastの株価は22ドルだったが、28日には93ドル台まで上昇、これに伴い時価総額は一時1,900億ドルに拡大した。
世界の自動車メーカーを時価総額順に並べると、トップとなるのはテスラで、その額は約7,000億ドルに達する(調査時点、以下同)。これにトヨタが2,200億ドル、ポルシェが1,000億ドル、中国BYDが940億ドル、メルセデス・ベンツが780億ドル、BMWが712億ドル、フォルクスワーゲンが707億ドル、フェラーリが560億ドル、ステランティスが550億ドル、ホンダが500億ドル、フォードが473億ドル、GMが457億ドルで続く。
8月28日時点の時価総額で比較するとVinFastは自動車メーカーとしては世界3番目に位置したことになる。
これまであまり知られることのなかったベトナムの新興自動車メーカーが日本や欧米の老舗企業の時価総額を上回ったことが注目されたわけだが、そもそもこのVinFastとはどのような企業なのだろうか。
突如出現したEVメーカー「VinFast」とは?
VinFastとは2017年に、ベトナムの最大財閥ビングループが自動車産業に参入するために、同グループの代表であるファム・ニャット・ブオン氏が設立した自動車メーカー。本拠はベトナム北部のハイフォン市。2019年に工場の稼働を開始し、当初はガソリン車を製造していたが、2021年に同社初のEV「VF e34」を発売し、2022年にはEVの専業メーカーへと舵を切った。グループの資金力でイタリアの名門ピニンファリーナのデザインを取り入れ、BMWの技術を購入し、シーメンス、マイクロソフト、ボッシュ、クアルコムらとも積極的に提携している。さらには優秀な外国人技術者らを引き抜くなどして、欧米の大手メーカーの知見を取り込んできた。
CEOのレ・ティ・トゥ・トゥイ氏はベトナムのビンディン省で生まれ、ハノイ貿易大学、国際大学、ハーバード大学ケネディスクールを経て、現在は親会社のビングループの副会長もつとめる著名女性経営者。同氏によると、VinFastは生産工程の9割を自動化した世界トップクラスの製造拠点を保有しているという。
2020年以降、VinFastは海外展開を加速。3月に米国工場の建設、6月には独、仏など欧州の販売拠点開設を発表した。11月には、ベトナムの自動車メーカーにとって初の海外輸出として、米国にSUVタイプの電気自動車「VF8」を送った。今後、2025年までに年間50万台を製造する計画を掲げている(参考:マツダの2022年の世界生産台数はおよそ110万台)。 【次ページ】なぜ株価が高騰したのか?その実力は?
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