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  • 2022/11/22 掲載

「8割継続」の衝撃、DL500万突破「りそなグループアプリ」の戦略・組織・環境とは?

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りそなホールディングスのDX戦略を象徴する個人向けバンキングアプリ「りそなグループアプリ」が2018年2月にリリースされてから5年近くが経過した。2022年3月に500万ダウンロードを突破し利用者の8割が継続するというこのアプリは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の好例として注目を浴びている。りそなHDでDX部門をリードしてきたカスタマーサクセス部の熊倉広将氏とDX企画部の後藤一朗氏の両名に、ヒットアプリを生み出した戦略や組織体制、環境について話を聞いた。
聞き手、構成:編集部 山田 竜司 執筆:畑邊康浩

聞き手、構成:編集部 山田 竜司 執筆:畑邊康浩

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りそなホールディングス(以下、HD)のDXを代表する「りそなグループアプリ」はどのような組織から生まれたのか

営業店以外の顧客チャネルを司るDX推進部門は200名規模

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りそなホールディングス
DX企画部グループリーダー
後藤一朗氏

後藤 一朗氏(以下、後藤氏):まず、りそなホールディングスのDX戦略と、その中でのアプリの位置づけについて説明します。りそなグループのDX戦略は、お客さまが法人か個人かを問わず、「顧客体験を変えること」「新しい価値を提供すること」「私たちのコスト構造そのものを変えること」を目指しています。

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りそなグループのDX戦略
(出典:りそなグループのDX戦略 ~金融デジタルプラットフォーム構想について~)

 そうした戦略に基づくさまざまな取り組みの中で、りそなグループアプリは「顧客体験を変えること」の典型的な戦略チャネルであると位置づけています。

 銀行を利用するには窓口やATMに並ばなければいけない世界から、自宅からでも外出先からでも銀行を利用できる世界へ変えること。それは、顧客体験を変え、新しい価値を提供するということであり、特に個人のライフスタイルに注目したときに、このアプリが「一丁目一番地」であったということです。

 DX戦略を体現するアプリを支える部門としてDX企画部、カスタマーサクセス部、データサイエンス部があります。それぞれの役割を説明しますと、まずDX企画部は、全体企画と商品企画を担当しており、いわゆる戦略的な部分をメインで担当しています。

 カスタマーサクセス部は、リモートチャネルなど法人・個人のお客さまとの接点・チャネルをつかさどる部署になります。チャネルには、りそなグループアプリもありますし、渉外担当者が携行するタブレット端末といったものもあり、これらの企画・開発・運用までを担当しています。

 そして、すべての戦略を下支えするのがデータであり、そのマネジメントや利活用を担当しているのが、データサイエンス部です。

熊倉 広将氏(以下、熊倉氏):DX企画部、カスタマーサクセス部、さらにデータサイエンス部を加えた3部署で総勢200名超の組織になります。

 個人向けのりそなグループアプリに注目いただくことが多いのですが、法人向けも所管しておりまして、EB(エレクトロニックバンキング)・IB(インターネットバンキング)に付随するインターフェースの部分や「りそな支払いワンストップ」といった請求書処理など決済関連のサービスなども担当しており、営業店以外の幅広いチャネルを扱っています。

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りそなグループの目指す姿
(出典:りそなグループのDX戦略 ~金融デジタルプラットフォーム構想について~)

有機的にプロジェクトチームを組成する

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りそなホールディングス
カスタマーサクセス部
アジャイル推進室長
熊倉広将氏

熊倉氏:DXを担う3部署はどのように連携しているかを聞かれます。部として分かれてはいますが、社内的には全部合わせて1つの同じ部門という認識なので、意識して「連携」しているという感じではありません。

 プロジェクトごとに必要な担当者を適宜アサインして、チームを組成していくイメージです。商品やサービスごとのチームもあれば、たとえばマーケティングのような複数の商品・サービスにクロスオーバーで関わるチームもあります。

後藤氏:目標・KPIは、チャネルや商品・サービスごとに設定されています。商品を所管している部署であれば収益や契約者数などがKPIになっていますし、チャネルを所管するチームであれば、ユーザー数や稼働率などをKPIに置くことが多いです。全体として最終的に目指すのは収益ということになると思いますが、そこに至る道筋に置くKPIはチームのミッションによって異なります。

【次ページ】競争戦略の肝は「お客さま目線」をぶらさずPDCAを回すこと
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