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  • 2022/02/10 掲載

めぶきFGが考える金融DXとは? 行き着く先は「〇〇」という確信

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めぶきフィナンシャルグループでは、リアルの顧客接点を通じたコンサルティング営業で地域経済を強力にバックアップするとともに、デジタル技術を活用したDXの取り組みも積極的に進めるという。この「リアルとデジタル」の両面戦略の目指すところについて、前編に続き同グループ取締役社長と常陽銀行頭取を務める笹島律夫氏に話を聞いた。
聞き手、構成:編集部 山田 竜司 執筆:畑邊康浩

聞き手、構成:編集部 山田 竜司 執筆:畑邊康浩

photo
めぶきフィナンシャルグループ取締役社長
常陽銀行頭取
笹島律夫氏


フィンテック時代においても「リアルの顧客接点」の価値は健在

──GAFAをはじめとする大手テック企業が金融事業に次々と参入していますが、こうした動きをどのようにとらえていらっしゃいますか?

笹島律夫氏(以下、笹島氏):モノの単純な売買に関わる決済などの領域は、当然ながら売買の場で直接データを取得できる企業が強いに決まってますよね。従って私たちはその領域で勝負しようとは思っていません。でも、たとえば株の売買をしたい場合などは、あらかじめ買う銘柄が決まっていればオンラインで問題ありませんが、ポートフォリオや運用について悩んでいるようなケースではやはり専門家に相談したくなります。そういうニーズに対しては、オンラインではきめ細かく対応できません。

 つまり単純な用事ならネット銀行やネット証券のシステマティックな仕組みでいいのですが、複雑な問題に対応するとなるとやはりリアルの顧客接点が欠かせません。私たちの強みはまさにそこにあるのです。ただし単純な用事と複雑な用事で相談先がいちいち異なるのは面倒ですから、双方をワンストップで提供してお客さまの煩雑さを解消できればベストです。そのため私たちもリアルを中心としながら、オンラインも必要最低限の仕組みはきちんと提供していくつもりです。

 特に法人向けのコンサルティング領域では顕著ですが、お取引さまの業務内容や経営状況、事業環境などは、長いお付き合いを通じて深く理解することが必要となります。外部のコンサルタントが理解するには相当な時間と労力がかかる領域も我々ならこれらのプロセスを省くことができるため、短期間・低コストでの支援が可能です。

──デジタル分野に強い銀行が家電量販店や旅行会社と組んで金融サービスを提供するなど、「BaaS」「埋込型金融」「API連携」などを推進する動きが出てきています。

笹島氏:お金の決済やファイナンスはモノやサービスの購入段階で発生するものですから、特に小口の買い物やリアルタイム性が求められる領域においてはこうしたサービスは今後もどんどん広がっていくでしょうね。

 その一方で、大口の買い物に関してはそう単純にはいきません。さすがにネットで家を買うことは少ないですよね。やはり高額の買い物ではローンをはじめ、さまざまな相談事が必要になってきます。私たちはそうした領域において高い専門性をもってお客さまをサポートするため、やはりリアルの顧客接点を大事にしていきたいと考えています。

DXで捻出した人手と予算を「リアルでしかできないこと」に投入

──これらの背景を踏まえ、めぶきFGでは現在どのようなDX戦略を立てているのでしょうか。

笹島氏:申し上げている通り、私たちの強みはリアルの顧客接点にあるので、その価値をより高めていくため、さらに経営資源を投入する必要があります。そのために、リアルでなくてもこなせる業務は徹底的にデジタル化してリソースを捻出し、それらをリアルでしかできないことになるべく多く投入していくことがDXを考える上での前提です。

 一例を挙げれば、店舗改革です。現金をなくしキャッシュレスにすれば店舗に金庫は不要になりますから、広くて頑丈な店舗はいらなくなります。お客さまの相談にゆっくり乗れるスペースさえあれば十分ですから、それこそコンビニと同じぐらいの規模の建物でも事足ります。また紙と専用端末を使った事務作業をデジタル化すれば、専門端末も事務要員もいらなくなります。こうして捻出した資金と人員を「リアルでしかできないこと」に投入することで、より私たちの強みが生かせるようになります。

──デジタルを使ったコスト削減という意味では、2021年にリリースされたバンキングアプリの取り組みも非常にユニークですね。自社で一からアプリを開発する代わりに、りそなホールディングスのアプリ基盤を外部利用する形をとっています。

笹島氏:これはコスト削減のために採用したというよりは、むしろ時間を優先させた結果、自前で一から開発するよりもりそなHDが既に構築したものを買った方がいいという結論に至りました。実はもともと私たちも、自前で通帳アプリなどを開発、提供していました。従って当初は自前でやろうと思っていたのですが、コロナ禍で状況が一変しました。

 とにかく一刻でも早くサービスを提供する必要に迫られたので、本来なら自前で開発した方がコストは安く済むのですが、何よりスピードを最優先に考えた結果、「時間を買う」ためにりそなさんと提携してアプリ基盤を使わせてもらうことにしました。

画像
「時間を買う」ためにりそなHDと提携してアプリ基盤を利用
(出典:りそなホールディングス)

──この提携の話は以前から進めていたものなのでしょうか。

笹島氏:以前、りそなさんが開催されたセミナーに参加させていただいた際に、アプリを含めたさまざまな戦略に関するお話をうかがい、「顧客接点の強化に向けた施策の方向性が同じだ」と感じました。

 今回リリースしたアプリは単なる業務効率化のためだけのものではなく、顧客接点をデジタル化することで新たな価値を提供することが主たる目的です。


【次ページ】「あの人たちに相談すれば何とかしてくれそうだ」と思われる存在に
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