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- 2021/12/15 掲載
S&P 500ファンドの「ベスト」と「ワースト」はどこ? 白熱する「信託報酬」競争
トータルリターンの比較
まず、ファンドのトータルリターンを比較してみよう。2011~2020年までの10年間で、S&P 500ファンドには64のシェアクラス(種類株)があった。60のミューチュアルファンドと、4つのETF(上場投資信託)である。下図は、これら64ファンドの年間リターンの中央値と、10パーセンタイル(上から10/100に位置する値)および90パーセンタイル(上から90/100に位置する値)のパフォーマンスを示している。これはなかなかの大金だ。10パーセンタイルのファンドは、90パーセンタイルのファンドを年間1.3パーセンテージポイント上回っている。この10年間でライバルを40パーセンテージポイント上回ったことになる。初期投資が1万ドルなら4,000ドルだ。
バンガードグループの創業者ジャック・ボーグル氏が飽きることなく繰り返したように、時間は勝負の得点差を大幅に広げる。投資家が幸運にもこうした利益を20年間享受できるとしたら、10パーセンタイルのファンドは90パーセンタイルのファンドを実に2万7,300ドルも上回ることになる。
その差は思った以上に大きい。インデックスファンドによるこの差の分岐方法は2つしかない。1つは経費率の差によるもの、もう1つはファンドがインデックスのパフォーマンスと一致しない場合に発生する、トラッキングエラーによるものである。あるインデックスファンドのコストが別のインデックスファンドよりも1.3パーセンテージポイント高くなる可能性は低いと思われる。しかし、S&P 500ファンドのトラッキングエラーがこの値に近くなる可能性はさらに低いだろう。
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