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- 2021/08/25 掲載
急拡大するグリーンボンド、ゆっくり成長「グリーン地方債」が大化けする可能性は?
成長はしているが、ニッチ市場のごく一部であるグリーン地方債
世界の多くの地域と同様、米国内のグリーンボンド市場は過去数年間で極めて急速に成長している。グリーンボンドを認証する非営利団体である気候債券イニシアチブ(CBI:Climate Bond Initiative)によると、米国のグリーンボンド発行総額は2015年の128億ドルから2020年には615億ドルに増加している。この発行の大部分は、ファニーメイのような主要な証券化資産プレーヤーやアップルやコカコーラといった企業など、課税対象の発行体によるものである。
さらに、地方債はこの市場で決して小さくない部分を占めている。2020年発行総額615億ドルのうち、25%(150億ドル)は地方債発行体によるものだ。これもまた、同期間に顕著な増加を示している。ヌビーン・アセット・マネジメントは2017年の分析でブルームバーグのデータを引用し、グリーン地方債の発行は2015年暦年にはわずか40億ドル強だったことを示している。
この成長は目覚ましいものだが、米国地方自治体の発行総額に比べればごくわずかにすぎない。米国証券業金融市場協会(Securities Industry and Financial Markets Association)によると、米国地方債市場の発行残高は2020年末に4兆ドル弱、2020年の発行額は4,850億ドルだった。
先に引用した150億ドルのグリーン地方債は、発行総額のわずか3%に相当する。こうした債券の大部分は、個人投資家が直接、または投資信託戦略を通じて保有している。さらに、発行済み地方債は約100万あり1日の平均取引量はわずか3~4万であることから、市場は断片的な状態で米国社債市場よりも流動性が低くなっている。
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