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- 2019/08/20 掲載
ネオバンク構想が進み、ATMやスマホさえ消えるかもしれない
モーニングスター朝倉智也社長
前編はこちら(※この記事は後編です)
ネオバンクシフトのもと、キャッシュレスは進む
最近は、ネオバンク構想というものが出てきています。いわゆる銀行業の免許を持たずに、銀行と同じようなバンキング業務を行っていく事業者のことです。さまざまな銀行業務のうち、決済のところというのは、たとえばメルカリのメルペイ、LINEのLINEペイ、Yahoo!とソフトバンクのPaypay、楽天ペイ、ドコモのd払いとか、さまざまなものが出てきて乱立しています。
一方、中国では、アリババのAlipay(アリペイ)やWeChat Pay(ウィーチャットペイ)が圧倒的なシェアを誇っています。こうした動きに代表されるように、利便性が高くて使いやすいものが出てくることで、今後さらにキャッシュレス化の波が大きくなっていくでしょう。
日本政府が発表しているキャッシュレス比率は2015年段階で18.4%です。それを2025年までに40%、将来的には8割にしていこうといっていますが、私は本当に一気に進むと思います。日本人は流れに乗るのは長けていますから、8割どころではなく9割ぐらい行くのではないでしょうか。
その契機の一つは10月の消費増税でのポイント還元です。また、2020年の東京オリンピック、2025年の大阪万博で、多くの訪日外国人が為替両替を不要だとしてキャッシュレス方式で支払いをされるでしょう。そうなれば、これまで以上に対応する加盟店の数が増え、それがますますキャッシュレスを後押しすることにつながっていくと思います。
今までキャッシュレスが進まなかったのは、いわゆる加盟店の「三重苦」が原因でした。端末導入コスト、決済のたびに生じる3.5%~4%の手数料、1か月後になる入金サイクル。しかし、今進んでいるQRコード決済では、端末が要らず、紙でもいい、手数料も0.5%などほぼゼロ、即日・翌日入金。そうなると一気に広がりますよね。ユーザー側としても、100億、200億円還元という多額なインセンティブの提供もあり、利用するモチベーションも高まっています。
最終的にはATMやスマホも消える可能性がある
一方、キャッシュレスという観点で、銀行の内外でどういうことが起こっているかというと、まずは通帳をなくそうという流れが出ています。先日、三菱UFJ銀行が発表しましたが、1冊発行するのに200円の印紙税がかかっています。同行は4,000万口座ありますから、年間印紙税だけで80億円かかる計算になります。それを全部やめてしまえば非常に高いコスト削減効果が見込まれるわけです。
もちろん、預貯金者のなかには預貯金がどれぐらい増えたか通帳で確認するのを楽しみにされている方もおられますので、すぐには全廃できないかもしれませんが、将来的には要らなくなるでしょう。私ももう使わなくなりました。
またキャッシュレスが進むことで、街なかのATMも消えていくでしょう。すでに始まっていますが、今は駅の券売機で預金口座の現金が下ろせます。あるいはスーパーやコンビニでも下ろせます。別に銀行のATMに行く必要はもうないのです。
【次ページ】顧客視点でものを考え、根本的に変わらなければ明日はない
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