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- 2024/04/05 掲載
福岡市はなぜ元気?「人口増加数 全国一」「地価3倍」成長続ける街はこうして作られた
進む二大開発「天神ビッグバン」「博多コネクティッド」
福岡市の好調の背景にあるものと考えて多くの人が思い浮かべるのは、2014年に国家戦略特区になって以降の規制緩和による大規模な再開発「天神ビッグバン」、そしてそれに続く「博多コネクティッド」だろう。大規模再開発で地価はどれほど上がった?
では実際、天神ビッグバンは福岡市の土地の価格をどう変えたか。相続税、贈与税の算定に使われる国税庁の路線価図を参考に2014年から2024年の10年間の変動を見ていこう。路線価は実際の価格ではないが、道1本ずつに1m²あたりの価格が付けられており、毎年更新されるため、変動を見るには分かりやすい。現在、天神で最高値地点は福岡パルコ本館前で1m²が904万円。これが10年前の2014年の時点では465万円(1m²。以下同)。およそ2倍近くになっている。
ちなみに福岡パルコ本館は、天神ビッグバンのボーナスの締め切り期限に近い2022年に駆け込みで裏手にある新天町などと一緒に連鎖型の再開発を決めており、2026年から解体が始まる予定。現時点では何も変わっていないのに土地価格はすでに2倍ほどに上昇したわけだ。
すでに建設が終了した福岡大名ガーデンシティを見ると135万円から364万円になっており、こちらは2.7倍ほどにアップ。そもそもの価格が比較的安かったこともあり、上げ幅が大きい。
開発地域よりも上昇した場所とは?価格に表れる都心と異なる傾向
福岡市の場合、面白いのは実際に開発された地域以外の周辺部分が開発地域よりも上がっていることがあるという点。 【次ページ】10年で3倍の地点も。価格に表れる、都心と異なる「開発の影響範囲」関連コンテンツ
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