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  • 2023/10/06 掲載

対マネロン「金融機関横断プラットフォーム構想」とは? 「本人確認の限界」へ挑戦

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高度化、深刻化するマネーロンダリングの脅威。対策に用いるデータを金融機関どうしが共有する巨大プラットフォームの創設に向けた構想が、現実味を帯びつつあります。一般社団法人金融データ活用推進協会(FDUA)が9月に開いた初の不正・犯罪対策ワーキンググループ(WG)勉強会では、システムベンダーや金融機関、金融庁、デジタル庁の各担当者が登壇し、今後の方向性について意見を交わしました。新たなプラットフォームはどのようなものになるのか、そして個人情報の共有によって生じるリスクに、いかにして対処するのか。当日の議論をもとに展望と課題をお伝えします。
執筆:佐野 圭一、編集:川辺 和将

執筆:佐野 圭一、編集:川辺 和将

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デジタル庁や金融庁を絡めた共通プラットフォーム創設に向けた議論とは?
(あとから詳しく紹介します)

背景に政府間組織からの「対策不足」指摘

 マネー・ロンダリングおよびテロ資金供与(AML/CFT)対策(マネロン対策)をめぐっては、国際基準を定める政府間組織である金融活動作業部会(FATF)の旗振りで、各国が体制整備を進めています。

 FATFは2021年に実施した第4次対日相互審査で、日本のマネロン対策に改善の余地を指摘。これを受けて日本政府は各業界の国内金融事業者に対し、24年4月までに体制整備を完了するよう要請しました、23年6月には対策の現状と課題を整理したレポートも公表。FATFが各国政府に働きかけ、政府が事業者に働きかけるという具合に、国際金融システム全体として抜け穴封じを図っている途上というわけです。

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金融庁が2021年4月に各業界団体へ送った要請文
(出典:金融庁作成資料より)

 金融機関は今のところ、基本的に各事業者が別々に体制整備を進めていますが、システムの整備や専門人材の確保にかかる負担の大きさは無視できません。特に地域金融機関においては、経営基盤上の制約もあり対策の遅れが目立っています。

 体制整備の遅れている金融機関はマネロンの格好の標的となる恐れがあるため、リスク回避の観点では業界ごと、事業者ごとの取り組みのバラツキをできるだけ小さく抑え、横断的に取り組みを進める必要があるのです。

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モニタリングではさまざまな課題が浮き彫りになった
(出典:金融庁 報道発表)
【次ページ】「本人確認手段の限界」にどのように取り組むのか?
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