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- 2023/03/16 掲載
緊密化するeスポーツとWeb3の関係、eスポーツプラットフォームがクリプトトークンを発行のワケ
人気NFT企業によるゲーム大会
組織化やチーム/リーグ戦などの要素を持ち、賞金や商品が与えられるゲーム大会を「eスポーツ」と呼ぶ。このeスポーツ市場の売上高は、2020年に9億9,600万ドルだったが、2021年11億3,650万ドル、2022年には13億8,400万ドルとこの数年着実な伸びを見せている。引き続き成長すると予想されており、2025年には18億6,620万ドルに達する見込みだ。このeスポーツの世界にもWeb3の波が少しずつ押し寄せている。Web3関連企業によるeスポーツの取り組みや投資、またeスポーツ企業によるWeb3テクノロジーの統合といった動きが散見されるようになってきているのだ。
直近の事例としては、人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」の制作企業Yuga Labsが組織的なゲーム大会を開催。同社のオリジナルランナーゲーム「Dookey Dash」で高得点を競う大会で、同社のNFTを保有していることが参加条件となる。
ゲームは2023年1月末から2月中旬にかけて開催され、2月16日に、人気オンラインゲーム「フォートナイト」のeスポーツプレーヤーがゲームの勝者になったことが発表されたばかりだ。
この事例では、NFT保有を参加条件としたり、参加者のみがゲーム内でパワーアップに利用できるNFT「Sewer Pass」をミントできるなど、eスポーツとWeb3が今後どのように交差するのかが示された格好となる。
ゲーム内NFTであるSewer Passは、2023年1月にローンチされたが、勝者発表時点における二次販売額は、約6,000万ドルに上ったと報じられている。
eスポーツ企業によるWeb3技術の導入
eスポーツ企業による直近のWeb3関連の取り組みとしては、eスポーツのトーナメントプラットフォーム企業ESports Player League(ESPL)のクリプトトークン発行が挙げられる。ESPLは、プロプレーヤーではない一般のゲームプレーヤーがeスポーツ大会を運営するためのプラットフォームを提供、アマチュアゲーマーによるeスポーツの民主化を目指している。
このESPLが2023年1月に、分散化取引所PancakeSwapと提携し、独自のクリプトトークン「Arena」を発行。トークンの売上高は、約140万ドルに達したという。このトークンは、同時にローンチされたトーナメントシステム「User-Generated Tournament(UGT)3」ソリューションとともに活用される。
eスポーツ運営の大きな課題の1つが賞金の配分だ。大会がオンラインで開催された場合、世界各地からプレーヤーが集まることになるが、従来の送金システムでは、国際送金に多くのコストや時間が費やされてしまう。クリプトトークンArenaを同プラットフォームの共通通貨とすることで、送金の時間や透明性が高まることが期待される。
2019年のローンチ以降ESPLのプラットフォームでは、eスポーツ大会が2000回以上開催され、3300万人以上が視聴したといわれる。Arenaを活用したWeb3eスポーツ大会がどこまで増えるのかに注目が集まる。 【次ページ】Web3ゲームによるeスポーツ大会
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