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- 2023/05/31 掲載
デジタルツイン市場、自動車とあの業界が先行で急拡大、最新事例やテクノロジーまとめ
デジタルツインはすでに実装段階、いま加速する要因とは?
メタバースやインダストリアル・メタバースへの関心の高まりとともに、「デジタルツイン」という言葉も一般に広まりつつある。製造業において、デジタルツインは数年前から注目されており、北米や欧州などではすでに生産ラインに実装する動きが活発化している。
デロイトが2020年1月に発表したレポートによると、この時点ですでに、ユニリーバが先行的にデジタルツインの取り組みを開始、サプライチェーンや配送・フルフィルメント業務の最適化に乗り出したと伝えている(2019年6月のWall Street Journalの記事でも触れられている)。
ユニリーバでは、数十の工場の仮想モデルを作成、実際の工場にある機械に埋め込まれたIoTセンサーがパフォーマンスデータをAIや機械学習アプリケーションに供給し、分析された運用情報がデジタルツインのシミュレーシレーションにフィードされる仕組みを構築した。
これにより、工場では予測的に保守作業を実行できるようになり、生産量を最適化、不良品の廃棄量を減らすことなどが可能になったという。
デロイトは、デジタルツインの実装が加速する要因として「シミュレーション技術の向上」「データソースの拡充」「相互運用性」「可視化技術の向上」「計測技術の向上」「プラットフォームの拡充」を挙げている。
デジタルツイン市場は年60%で成長、北米がけん引するワケ
同レポートは、MarketsandMarketsの市場調査レポートを引用し、デジタルツイン市場は2019年に38億ドルにとどまるものだったが、今後高成長が予想され、2025年には10倍近い、358億ドルに拡大するとの予測を伝えている。このMarketsandMarketsのデジタルツイン市場調査レポートは、アップデートされており、2022年6月の最新版では、2027年までの市場予測が展開されている。この最新レポートによると、2022年の市場規模は69億ドルで、今後年間60.6%の成長となり、2027年には735億ドルに達する見込みという。
強気の成長予想が展開されるデジタルツイン市場だが、その成長ドライバーとなるのは、北米の製造業とみられている。
地域的に北米が注目される理由は、デジタルツインのプロバイダが同地域に集中していることにある。主要プロバイダとしては、マイクロソフト、IBM、アマゾン、ゼネラル・エレクトリックが挙げられる。 【次ページ】デジタルツインが進展しているのは自動車業界とあの業界
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