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  • なぜ「デジタル証券による資金調達」が急増している? “ミニIPO事例”が生まれたワケ

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  • 2021/11/19 掲載

なぜ「デジタル証券による資金調達」が急増している? “ミニIPO事例”が生まれたワケ

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発行体や投資家の旺盛な需要を背景に、デジタル証券を活用した資金調達「STO(セキュリティ・トークン・オファリング)」が、米国をはじめとした世界市場で急成長を見せている。日本の資本市場はこの動きにどう対応すべきか。Securitize Japan カントリーヘッドの小林 英至氏、日本マイクロソフト業務執行役員 金融イノベーション本部長の藤井 達人氏、Ginco 代表取締役の森川 夢佑斗氏、日本経済新聞 フィンテックエディターの関口 慶太氏(モデレーター)の4人が語り合った。
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世界で急速に成長するSTO、日本の資本市場「次の一手」は?
※本記事は、日本経済新聞が2021年9~10月主催した金融DXサミット「Financial DX/SUM」の講演内容を基に再構成したものです。

金融秩序の下にある「STO」の現状

 冒頭、ブロックチェーンの専門家であり、デジタル資産を扱うシステムソリューションを提供するGincoの森川 夢佑斗氏が、「STOとは何か」「現在に至る発展の経緯」「STOのメリット」について語った。

 森川氏はSTOが注目されるようになった背景について「ブロックチェーンを用いることでさまざまな資産がデジタル化され、流動的かつ効率的に取引されるようになっている。これはビットコインに始まり、資金調達に関わる有価証券の分野に及んだ。一方で、投資家保護の問題が浮上したことで、各国が規制を課し金融秩序の下に置いたのがSTOである」と話す。

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Ginco
森川 夢佑斗氏

 これを踏まえ、米国に本社を置くSTOプラットフォーム「Securitize」の日本法人代表を務める小林 英至氏は「STOのメリットはさまざまだが、根本的な証券のバリューチェーンがトランスフォームすることにSTOの意義がある」と語った。

 米国ではSecuritizeを始めとするさまざまなSTOプラットフォームが誕生し、既に発行体と投資家がP2Pで資金調達を行う事例が現れている。「単なるデジタル化や既存システムの代替とは異なる、本質的なDXだ」と小林氏は語る。

なぜ世界中でSTOが加速しているのか

 続いて、日本マイクロソフトエンタープライズ事業本部でフィンテック事業を推進し日本ブロックチェーン協会の理事でもある藤井 達人氏からグローバルでのSTOの現状について紹介された。

 藤井氏はアジアにおけるシンガポール、欧州におけるスイスの存在を重要視する。

「シンガポールでは2017年からサンドボックス制度のもとでAdExのような取引所が先進的な取り組みに取り組んできた。既にプライベート・エクイティやコマーシャルペーパーがセキュリティトークンとして発行され、モバイルアプリ上で売買できる状況にある。サンドボックスという箱がうまく活用された事例だ」(藤井氏)

 またスイスの取り組みについては2021年初に施行された「ブロックチェーン法」を取り上げた。

 スイスのブロックチェーン法は、ブロックチェーンを使った金融事業だけでなく、企業株式やその他の資産をデジタル化し取引することを想定し、破産法から証券取引法に至るまで、複数の法律が改正されているという。

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日本マイクロソフト
藤井 達人氏

 グローバルではセキュリティートークン(ST)化される証券の性質も多様化しているようだ。

 「日本では不動産が目立つ」との関口氏の意見に対し、藤井氏と小林氏はスポーツ選手の年俸に関するSTOや映画の制作に関するSTOの事例を挙げ、「STOマーケットの成熟に応じて、取り組みが多様化する傾向にある」と説明する。

【次ページ】EXODUSによるミニIPO事例

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