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  • 2021/02/05 掲載

北國銀行 杖村修司頭取が語るDX、「顧客主義」のデジタルバンキングとは

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北國銀行は、現在のようなフィンテック、デジタルトランスフォーメーション(DX)が注目される以前から、業務のデジタル化、ビジネスモデルの変革に取り組んできた先進的な金融機関として知られる。その取り組みは15年に渡るが、背景にはどのような考えがあったのか。また、金融機関が大きい岐路に立たされている現在、同行は今後、何を目指すのか。北國銀行 頭取 杖村 修司氏が自ら語った。
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北國銀行 頭取 杖村 修司氏
(出典:日本金融通信社 主催「デジタルバンキング展」発表資料)
※本記事は、2020年12月17日から18日に行われた、日本金融通信社の主催によるイベント「デジタルバンキング展(Digital Banking Transformation:DBX2020)」での講演内容をもとに再構成したものです。

ビジネスモデル変革の“屋台骨”とは

 杖村氏は、同行のこれまでの取り組みについて、さまざまな質問を受けるという。それをまとめたのが次の図だ。杖村氏によれば、ここに示した質問への回答は「すべて正しい」だ。

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北國銀行に多く寄せられる質問
(出典:日本金融通信社 主催「デジタルバンキング展」発表資料)

 昨今、銀行の変革には、人口減少社会や業務効率化の観点から店舗の統廃合や支店内支店、あるいはエリア制といったトピックが議論の訴状に上る。北國銀行では、「フルバンキングの店舗」「個人のみを対象とするとリテール店舗」に分け、かつエリア内で母店と呼ばれる店舗に法人営業を集中している。こうした取り組みは今でこそ当たり前だが、北國銀行はそれを2000年から始めたという。

 当時は現在のオペレーションやシステムがまったくない状態で、154拠点あったフルバンキングの各店舗に「そこでしかできない業務」がたくさん存在した。そのため、大量の帳票を各店舗から母店に運ぶなど、非常に手間のかかる作業をしていたという。

 こうした状態を脱するため、北國銀行はシステム戦略をトリガーとしたビジネスモデル変革の乗り出し、50以上のプロジェクトを進行させることになる。そのための重要な屋台骨が、オペレーションとITシステムだった。

「オペレーションとITシステムを抜きに経営企画部門がいろいろな絵を描いても、あるいは営業施策や審査を変えようとしても、組織は絶対に動きません。無理にやろうとすると、逆にいろいろな事故やミスが起きてしまうのです」(杖村氏)

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北國銀行のビジネスモデル変革のタイムライン
(出典:日本金融通信社 主催「デジタルバンキング展」発表資料)

クラウドで「100%のデジタルバンキング」を目指す

 現在もビジネスモデルの変革は進行中だが、杖村氏は注力している取り組みとして「クラウドバンキング」「勘定系のクラウド化」「サブシステム」の3つを挙げ、中でも勘定系のクラウド化が最も重要であるとした。

 そこで計画されているのが、2024年のPaaS化である。北國銀行で現在すでに61年稼働しているという日本ユニシスの勘定系システム「BankVision」をモダナイズするには、IaaSではなくPaaSに移行する必要があり、それを大きな目標としている。

 また、クラウドバンキングに関しては、法人取引のデジタルバンクへの移行が計画されている。法人対応は個人への対応より難しい部分が多く、慎重に進めているという。

「きちんとした形でリリースすれば、その後は自前で開発・運用していくので、順次拡張が可能になります。それにより、2024年までには個人も法人もほぼ100%、デジタルバンキングを可能にする計画です」(杖村氏)

 サブシステムを含めたパブリッククラウドへの移行にも取り組んでいる。パブリッククラウドは勘定系やデジタルバンクとの親和性が高く、シンプルなシステムを目指せるからだ。

「個人と法人のデジタルバンク、そして勘定系の3つの柱をクラウドに上げることで、営業店端末やCRMなどのサブシステムとシームレスに接続できるようになります。これにより、カットオーバーと同時にすべてのサブシステムも使えるようになります」(杖村氏)

 現在はまだ移行途中だが、完了すればクラウドシステムのすべてをITパートナーに無償で提供し、価値観と戦略を共有する中小金融機関へ展開することも視野に入れているという。

 今後、法人向けのデジタルバンクをリリースして機能を追加していくことで、2024年にはインターネットバンキングの契約者を現在の18万人から40万人を目指す。

「2019年9月にリリースした個人向けのデジタルバンクの契約者は約2.5倍になっていますので、けっして不可能な数字ではないと思います」(杖村氏)

【次ページ】次世代CRMを「内製」した理由
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