- 会員限定
- 2019/10/01 掲載
分散型金融(DeFi)とは何か? 分散型サービスで見えてくる金融の未来
DeFiとはスマートコントラクトで動く金融エコシステム
DeFiとはスマートコントラクトで動く金融サービスの総称であり、それらのサービスが連携して実現する直接金融型のエコシステムである。サービスはトークン化された暗号資産を用いて提供される。そのトークンの取引は、ブロックチェーン上でスマートコントラクトを通じて行われるため、開発者や投資先が海外の名前も知らないスタートアップであるというような信頼性が低い状況でも、安心して利用できる。
DeFiのサービスや機能はまとまりのないサービスが羅列されているように見えるが、これらは連携しあって、幅広い領域で直接金融型の「市場サービス」を、従来の金融よりも細かな粒度で提供することを目指している。
取引相手が信頼できなくても使える仕組み
一度ブロックチェーンにスマートコントラクトを書き込むと、原則として開発者であっても管理者であっても、その契約内容は書き換えられない。契約の当事者が合意した上でスマートコントラクトを利用すれば、そのプログラムは相互に勝手に書き換えられず、確実に実行される。そのため、取引相手が信頼できなくても安心して契約を行うことができる。スマートコントラクト内で保証される内容であれば、インターネットの向こう側の匿名の相手であっても契約を結ぶことができる。
これまでは信頼できる金融機関が仲介役として入らなければ実現できなかったような契約内容を、海外の名も知れないスタートアップが仲介者なしに実現し、それを世界中のユーザーが利用するようになるかもしれないのだ。
「トークン化」と「分散型取引所」を連携しさまざまな市場を構成
DeFiで中心となる機能は「トークン化」と「分散型市場」である。トークン化とは現実世界の資産や義務・権利をブロックチェーン上で独自の暗号資産をとして発行・表現する技術である。分散型取引所とはトークンに対する売買注文を約定・流通させる市場をブロックチェーン上へ構築する技術である。そこへAMLや投資家制限のために投資家のアイデンティティと取引のルールをまとめた「コンプライアンス」の機能が付け加えられることが多い。これらの機能を組み合わせて、DeFiはさまざまな市場サービスを構成する。
P2Pレンディングを考えてみよう。貸し手はステーブルコイン発行サービスなどを利用し、ブロックチェーン上で流通できるトークンを手に入れる。借り手は債券発行サービスを利用し、債券トークンを手に入れる。
それぞれ取引所に注文を出し、価格(債券の場合は利率)が合えば約定となり、取引が行われる。債券の償還期限が到来したら借り手は返済し、貸し手は債券を返却する。
このように、DeFiではブロックチェーン上で価値を表し管理する「トークン化」が基盤となり、そのトークン同士を「分散型取引所」が結びつけ流通させることで、さまざまな直接金融市場を実現する。
【次ページ】多様化する「トークン」と相互連携する「分散型取引所」
関連コンテンツ
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
投稿したコメントを
削除しますか?
あなたの投稿コメント編集
通報
報告が完了しました
必要な会員情報が不足しています。
必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。
-
記事閲覧数の制限なし
-
[お気に入り]ボタンでの記事取り置き
-
タグフォロー
-
おすすめコンテンツの表示
詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!
「」さんのブロックを解除しますか?
ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。
ブロック
さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。
さんをブロックしますか?
ブロック
ブロックが完了しました
ブロック解除
ブロック解除が完了しました