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近年、金融業界において着実に普及している生成AI。生成AIの活用は、顧客1人ひとりに最適化されたサービスの提供や不正対策の効率化など、金融業界に大きな変革をもたらす可能性を秘めている。しかし、その一方で、健全な活用方法や参照すべきガイドラインがわからない、といった課題を抱えるケースもある。生成AIの浸透により新たなステージに入った金融AI。その活用の最適解と業界全体の最新動向について、一般社団法人 金融データ活用推進協会 代表理事の岡田 拓郎氏に話を聞いた。

金融業界で進む生成AI・データ活用

 金融データ活用推進協会は「金融データによる人と組織の可能性をアップデート」をミッションとする団体だ。2020年に発足した前身組織「金融事業×人工知能コミュニティ」を社団法人化する形で誕生した。

 2022年より対外活動をスタートし、2024年には中島金融庁元長官が顧問に就任。現在、100超の金融機関が会員となっている。

 同協会の代表理事を務める岡田 拓郎氏は、特定非営利活動法人金融IT協会の副理事長兼事務局長としても活躍し、Trust株式会社の代表取締役社長CEOも務める。また、編著に「金融AI成功パターン」(日経BP)を持つ、金融AIの先駆者だ。

「私は地方銀行・全銀協・メガバンクグループにおいて、一貫して金融デジタル/AIの分野に携わってきました。金融分野のAIデータ活用は進んでいますが、各社バラバラで取り組んでいるものも多いです。。そこで、非競争領域は業界一体で取り組むため、協会として業界を横断した協調を進めております」(岡田氏)

 岡田氏によると、金融業界内では、AIやデータの活用によって、すでに一定の成果が得られているという。次章以降では、金融業界における生成AIの成功事例ほか、AI活用の大きな指針として期待される金融版の生成AIガイドライン、AI活用で求められる人材の定義と育成・発掘方法について紹介する。

この記事の続き >>

  • ・どう使う?金融業界における「生成AI成功事例」
    ・金融機関に特化「金融版・生成AIガイドライン」とは?
    ・金融業界で求められる「データストラテジスト」の育成・発掘

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