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フィンテックや生成AI、中央銀行デジタル通貨(CBDC)など、次々と新たな技術が登場する金融業界。現場では日々の実務に加えて新たに導入されるテクノロジーの間にギャップを感じている担当者もいることだろう。金融業界では今、具体的にどのような変化が起きているのか、そしてその変化の中に対してどのように対応していけばよいのかを専門家が解説する。

「ビジネスモデル」まで変化する金融業

「銀行機能は必要だが、銀行は消えてなくなる」

 1994年、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツによる発言だ。また、米調査会社ガートナーは2013年に、「2020年には、企業内のあらゆる予算がIT関連になり、すべての企業がテクノロジー企業になる」と予想した。当時はにわかに信じ難かったこれらの予想だが、今では現実味を帯びてきている。

 具体的には、人工知能(AI)や機械学習の活用、資産運用手法の変化、売買自動化、リスク管理の自動化や高度化、マネーロンダリング(資金洗浄)や詐欺への対策強化などが挙げられるだろう。これらのビジネス環境や手法、ニーズの変化とともに、自然言語処理領域におけるAI(生成AI)が爆発的発展を遂げたことで、金融業界の中で発生する事務作業の業務効率が激変した。

 こうした変化に加えて、ビジネスモデルそのものも変化していくと話すのは、SBI金融経済研究所 研究主幹で前・日本銀行金融研究所 所長の副島豊氏だ。

「異なる技術やシステム、データがイノベーターのアイデアによって新結合することで、新たなビジネスモデルが創出されています。その変化に対応するためには、現場が主体となってイノベーションとその実装を進めることが大切です。これまではシステム部門が主体となってきたITインフラの開発スタイルそのものを見直す時が来ています」(副島氏)

 では、金融業界に携わる人は、こうした急速な変化にどのように対応していけばよいのだろうか。副島氏が解説する。

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