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- 2022/06/14 掲載
資産運用会社が直面する「逆風」、世界最大のブラックロックの差別化戦略とは

資産運用会社が直面している逆風
──まずは、資産運用会社が直面している長期的かつ周期的な逆風について、おおまかに教えていただけますか?グレゴリー・ウォーレン氏(以下、ウォーレン氏):強気の株式市場が、業界に影響を及ぼしている多くの問題を覆い隠すのに役立っています。アクティブ型エクイティのフローはこれまで15年間マイナスで、歴史的にビジネスの大型エクイティ側に集中してきました。そのほとんどは、手数料の安いインデックスファンドや上場投資信託(ETF)との競争の激化がもたらしたものです。
米国では、現在は廃止されている労働省の非信託者規則が2014年から2015年にかけてこうしたシフトを加速させました。個人向けアドバイスプラットフォームのゲートキーパーは、手数料が高すぎる、あるいはパフォーマンスが十分ではない資産運用者を排除するようになりました。
こうしたプラットフォームやその他の販売ルートに乗り込んでそこにとどまるのはますます難しくなっています。米資産運用会社のフランクリン・リソーシズのように、ディストリビューター(販売会社)との関係に誇りを持っている会社もこれまでは見られました。その目的は商品をプラットフォームに乗るよう販売促進することでした。今では、目的は完全に手数料とパフォーマンスになっていますが、それは当然です。
パワーバランスもシフトしており、販売やマーケティングのコストなど、従来は投資家が負担していた費用の一部を現在は資産運用会社が負担しています。つまり、現在はディストリビューターと末端投資家が主導権を握っているのです。それから、透明性の向上を求める規制当局が入ってきました。これにより、コンプライアンスとテクノロジーのコストが増加しています。
周期的な問題としては、この強気市場が12年以上続いてきたことが挙げられます。その途中で何度か反発があり、大きな反発も何度か見られましたが、今後どこかの時点で弱気市場に入り、それが長期間続くでしょう。そうなれば多くの人が、特に現在プラスのフローを生み出すのに苦労している人が損害を被ることになります。
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