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- 2021/02/02 掲載
デジタル移民による想像を絶する世界、「国境を超える在宅勤務」に対応できるか?
新連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質
「会える機会」を広げたビデオ会議
新型コロナウィルスの感染拡大に伴って、在宅勤務が増え、ビデオ会議などを使う機会が増えた。日本では、これは対面の代替物だと考えられることが多い。
本来はリアルな対面の場が望ましいのだが、それが制約されているので、コミュニケーションの質は下がるけれども、止むをえずビデオ会議で行うという考えだ。
そうした側面は、確かにある。リアルな対面でのコミュニケーションに比べて、ビデオ会議のコミュニケーションでの情報量が少なくなることは否定できない。
しかし、一方では、これまでは対面の会合が難しかったが、ビデオ会議にしたため容易に会えるようになったというケースもある。
社外の人たち、あるいは社内でも離れた事業所にいる人たちとの打ち合わせ会合などは、これまでよりも増えた場合が多いのではないだろうか?
これまでだと会議の場所を設定し、そこに集まることが必要だった。そのため、会議の時間だけでなく、移動の時間も必要になる。だから、そう頻繁には行えなかった。遠隔地にいる相手との場合には、特にそうだ。
ところが、ビデオ会議であれば、日時を設定してその時間帯を空けておくだけでよい。
私の場合で言えば、インタビューをごく簡単に受けられるようになった。これまでだと、インタビュー自体は1時間であっても、移動時間などがあるので、午後をすべて潰すというようなことになりかねなかった。しかし、ビデオミーティングなら、そうしたことはない。
仕事上の集まりだけではない。学生時代の友人たちとの集まりが、コロナ前より増えた。
これまではメールで連絡し合っていたのがビデオミーティングになり、実際に会うのが1年に数回しかなかった集まりを、1月に数回行ったりしている。
ビデオ会議のサービス自体は、これまでも提供されていた。しかし、実際に使っていたのは一部の人たちだ。それが、この1年間で、誰もが使うごく普通の道具になった。これまではビデオ会議ということに関心を持っていなかった人が使うようになった(私自身もそうだ)。
そして使ってみれば、ごく簡単にできることが分かった。だから、それが当たり前の連絡手段だと認識されるようになった。こうした意味において、ビデオ会議の社会的な地位が確立されたことの意味が大きい。
いとも簡単に国境を越える
注目すべきは、国際的な集まりが実に簡単にできるようになったことだ。これは画期的なことだ。今は外国に住んでいる学校時代の同級生が、何人もいる。こうした人たちとは、メールで交信することはあったが、実際に会うのは、数年に1回だった。あるいは何十年も会っていなかった人がいる。
これらの人たちが同窓会だけのためにわざわざ費用をかけて来日するのは、不可能に近い。何かの都合で来日するのに合わせて開催しようとしても、在外者が複数人になると、日程調整はほとんど不可能だ。
ところが、ビデオ会議なら、ごく簡単に同窓会ができる。
問題は、時差を考慮した時間帯の設定だけだ。出席者がヨーロッパとアメリカにいると、どうしても夜中や早朝になってしまう。
それさえ何とかすれば、旅費も時間もかけず、同じ町に住んでいる感覚で話し合える。
こうした集まりは、私の周りで増加している。つい1年前には思いもよらなかった集まりが行われているのだ。
【次ページ】国際集会に簡単に出席できる
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