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- 2024/08/06 掲載
日経平均「大反発」でも「今後も下がり続ける」、たった1つの理由
連載:小倉健一の最新ビジネストレンド
ブラックマンデー超えの大暴落
8月5日の東京株式市場は、取り引きが始まった直後からほぼ全ての銘柄が値下がりする「全面安」の状況に陥った。日経平均株価の5日の終値は、先週末の終値よりも4451円28銭も下がり、3万1458円42銭となった。この下落幅は、1987年に世界中で株価が大幅に下落した「ブラックマンデー」の翌日に記録された3836円48銭を上回り、過去最大の下落幅となった。
東証プライムの値下がり銘柄数が1625と全体の98%を超え、値上がりしたのはわずか14銘柄だった。台湾、韓国、インド、オーストラリア、香港、上海の株式市場も、日経平均に引きづられるようにすべての市場で暴落を喫した。
暴落した日経平均株価について、鈴木財務俊一大臣は「緊張感をもって注視する」として、「新NISAは長期・積立・分散投資の重要性を考慮して冷静に判断をしていただきたい」と呼びかけ、動揺が広がらないようなコメントを発表したが、日経平均株価は今年これまでの上昇分をすべて消し去り、年初来でマイナスとなった。
日本株の大暴落を導いた2人の人物
新NISAで日本株への投資を始めた人、値上がりが続いていた日本市場に投機(ギャンブル)的な投資をしていた人が一定数いるとみられ、日本社会に動揺が広がっている。ネット上では、「新NISA勧めた政府に騙された」といった怨嗟の声も聞かれた。今回の株価の暴落について、原因はさまざま語られているが、大きくは2つだ。
1つ目。今回の暴落を「植田ショック」と呼ぶ人は多い。これは、先月(7月)31日に、日銀が基準金利を0.25%程度まで引き上げ、日本国債の買い入れを縮小することを決定した。さらに、植田和夫日銀総裁がさらなる利上げの可能性に言及したことだ。日本の景気はそこまで良くないのに、なぜ利上げを急いだのだ…と言っても後の祭りなのだろう。
その後、間も無くして、米国のFRB・連邦準備制度理事会のパウエル議長が会見で、早ければ9月の会合で利下げが決定される可能性があると発言した。
この2人の人物によって、これまで円安の主因だった、日本の低金利、米国の高金利が一気に解消へ向かう可能性が出てきたわけだ。それを受けて、円高が猛スピードで進行することになった。円相場は、7月上旬には1ドル161円台まで値下がりをしていたが、植田総裁、パウエル議長の方針を受けて、8月5日には1ドル141円に値上がりすることになった。 【次ページ】今後も日本株に逆風が吹き続ける理由
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