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- 2024/07/21 掲載
年収差はまさかの2,500万円以上?日本と「違いすぎて泣ける」米中間層の実態とは
世界の「中間層」の現状とは
世界に貧富の差が二極化していると言われている現在だが、中間層人口の成長率に関しては地域によって大きく異なり、中間層が増加している地域もある。特に目を引くのは、アジア太平洋地域における急激な増加だ。Statistaのまとめによると、アジア太平洋地域の中間層人口は2015年の約13億8000万人から、2030年には約34億9000万人まで増加すると予測されている。一方、ほかの地域の成長率は比較的緩やかだ。北米では2015年の約3億3500万人から2030年には約3億5400万人へ、中南米では約2億8500万人から約3億3500万人へと微増にとどまる。欧州は約7億2000万人ほどで、ほぼ変化せず推移すると予想されている。
日本の中間層も欧州と同じく、ほぼ横ばいの推移となる。労働政策研究・研修機構のまとめによれば、2021年の1世帯あたりの平均所得金額は545万7,000円で、この10年間おおむね横ばいとなっているのだ。所得分布のボリュームゾーンは、100万円以上400万円未満の世帯グループで、全体の40.3%を占めている。中央値は423万円だ。
中間層の定義は複数あるが、一般的に所得中央値の67%~75%を下限、200%を上限とするレンジで定義する場合が多い。つまり日本においては、287/317万~846万円の世帯グループを中間層世帯と定義することができる。
米国の中間層における「ある変化」
2022年のデータによると、米国の世帯所得中央値は、7万4,580ドル(約1,200万円)だった。また、中央値の67%~200%が中間層レンジとなっており、4万9,720ドル~14万9,160ドルの所得世帯が中間層と定義されている。これらはインフレ率を考慮しない名目の数字となるが、日本とはおよそ3倍ほどの差があることになる。物価上昇の激しい米国の状況を鑑みると、インフレを考慮した実質所得の比較では、差は縮小するものと思われる。
米国の世帯所得の特徴として指摘されているのが、日本ではすでに一般的になっている共働き世帯の増加だ。1970年代は、主に世帯主が1人で家計を支えていたが、現在では共働きが一般的になったという。背景としては、急速なインフレが挙げられる。ナスダックが伝えた金融専門家ジャスプリート・シン氏の指摘では、1973年から2023年にかけて、米国のインフレ率は約600%に達したが、世帯所得もほぼ同じ増加率で増えてきた。しかし、今では2人分の収入でインフレに追いつくのがやっとの状況になっているという。 【次ページ】米平均より「200%」高いハワイの現状
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