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- 2024/07/02 掲載
もはや「同格ですらない」日本とシンガポール、物価高騰に見る「悲しき国力差」とは
シンガポールの物価は米国の1.6倍?
今年4月に158円台を付け、34年ぶりの円安水準となった円相場。円安はその後もさらに加速し、2カ月あまり経った同6月27日には、160円台後半に突入。37年半ぶりの円安水準を記録している。そんなとどまるところを知らない円安の影響も手伝い、日本と海外の物価ギャップが無視できない水準まで来ている。
物価については、ハワイやニューヨークなど米国の主要都市の動向が注目されがちだが、アジア圏でも物価の上昇が止まらない国がある。シンガポールだ。
シンガポールのインフレ率(消費者物価指数=CPI)は2023年に4.8%上昇、2022年の6.1%増から若干物価上昇圧力が和らいだものの、依然として日本や欧米主要国と比べると高い水準にある。
Numbeoの物価データによると、家賃を含まないシンガポールの生活費は、4人家族の場合、5,477シンガポールドル(約66万7,000円)と、物価が高いと言われる米国よりもさらに10.5%高い水準にあるのだ。また、シンガポールは家賃高騰も続いており、家賃水準は米国に比べ63.5%も高いとされる。具体的な数字を出すと、シンガポールの1ベッドルームの家賃は中心部で3,740シンガポールドル(約43万円)となり、日本の8万6,000円を大きく上回る。さらに、3ベッドルームの場合は7,193シンガポールドル(約83万円)にまで家賃が上がる。
この数年、シンガポールでは家賃の高騰が続いており、契約更新時(通常2年)に10~20%家賃が上昇したケースも珍しくない。中には100%近い上昇があったと報告されるなど、特に中心部では家賃上昇が続いている。
ラーメン価格も日本の「2倍」
不動産・家賃の価格は、モノやサービスの価格に転嫁されるため、それらの価格も高くなるのが通常だ。食品や飲料の価格を見ると、レストランでの食事は日本と比べると約2倍ほどの水準となる。安価なレストランで食事をすると、シンガポールでは約15シンガポールドル(約1,740円)、日本では約1,000円かかる。ミドルクラスのレストランでの2人分の食事代は、シンガポールで約95シンガポールドル(約1万1,020円)、日本では約5,000円だ。
日系レストランの進出が進むシンガポールでは、ラーメンを楽しむことができる店も多いが、トッピングなしのレギュラーメニューは1杯17~18シンガポールドル(約2,000円)ほどと、これもやはり2倍ほどの価格が相場となる。
一方、日用品の価格もシンガポールのほうが総じて高い。たとえば、牛乳1リットルの価格はシンガポールで約3.81シンガポールドル(約442円)、日本では約205円。パン500gはシンガポールで約2.53シンガポールドル(約294円)、日本で約205円だ。肉類や卵、チーズなどもシンガポールのほうが1.5~2倍ほど高い。
交通費に関しては、シンガポールの地下鉄・バス運賃は日本とほぼ同水準だ。片道の運賃はシンガポールで約2シンガポールドル(約232円)、日本で約220円。一方、ガソリン価格はシンガポールのほうが高く、1リットルあたり約2.84シンガポールドル(約330円)、日本は約164円だ。 【次ページ】シンガポールが物価高でも「日本と全然違う」ワケ
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