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工場やプラントも操業停止に追い込むサイバー攻撃の脅威
こうした産業システムは、1990年ごろまでは各社が独自の技術で開発していた。2000年代に入ってから、WindowsやLinuxなどの汎用OS、市販アプリケーション、オープンソースが使われるようになり、インターネットへの接続、TCP/IPを初めとする汎用プロトコルの採用も進んだ。
その結果、企業は機能・性能向上、コストダウン、開発期間の短縮といった恩恵を享受できるようになったが、それと引き換えにサイバー攻撃の脅威に直面することになったのである。
産業システムにおけるセキュリティ対策の大きな転機となったのは、2010年に起きたイランのウラン濃縮プラントを攻撃・破壊したマルウェア「Stuxnet(スタックスネット)」であったと神余氏は指摘する。
「Stuxnetはウランを分離する遠心分離機を異常回転させて破壊しました。これは、コントローラーが直接攻撃された世界初の事件であり、これをきっかけに世界各国がリスクを強く認識することになりました」(神余氏)
その後も、ウクライナでの電力システムの停止、米国での天然ガスパイプラインの停止など、社会的インパクトの大きいサイバー攻撃が続き、各国は対応を迫られることになる。そこでここからは、産業システムセキュリティの現状から標準化の動向や産業システムならではのセキュリティ対策の進め方について詳しく解説する。
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・各国の政策・規制が進むも企業対応は「難解」に
・何が違う? 産業セキュリティと情報セキュリティの特徴
・産業セキュリティに求められる「3つの対策」とは
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