【事例】顧客満足度4.5。ユーザー志向を追求するMyセブン銀行アプリの取り組みとは?
- ありがとうございます!
- いいね!した記事一覧をみる
セブン銀行の公式アプリ「Myセブン銀行アプリ」の位置づけとは
セブン銀行は、その事業の中核として、セブン-イレブンを中心に駅やスーパーマーケットに設置された現金自動預け払い機(ATM)を扱っている。セブン銀行と提携している金融機関は自らATMを設置・運用しなくても、セブン銀行のATMを活用し顧客へサービス提供が可能だ。その提携金融機関からの手数料がセブン銀行の収益となる仕組みである。セブン銀行 デジタルバンキング部 副部長 兼 グループ長 紙中 加代子氏は、ATMの重要性を次のように説明する。「当社にとって、ATMはお客さまとのリアルなタッチポイントとして非常に重要です。現在はQRコードによる決済アプリへのチャージ、認証機能を使った各種給付金の受取などさまざまなサービスを提供しており、今後も拡大していきます」(紙中氏)
一方で、ATM事業だけで収益の9割を占める現状に対し、顧客とのタッチポイントの拡大、新たな収益源の創出といった取り組みが求められていた。同社は事業の多角化のために、さまざまな模索を続けており、そのうちの1つが「Myセブン銀行アプリ」だ。このアプリが金融サービスを展開していく上での「デジタル領域のメインチャネル」という位置づけである。
「Myセブン銀行アプリは、『あなたの日常にいるアプリ』というコンセプトで2020年4月にリリースしました。最短10分で口座開設ができ、スマホだけでATMでの入出金を行えるのが特徴です。アジャイルでの内製開発により、お客さまのニーズを柔軟かつ的確に捉え、スピーディに応えられる体制を整えることで、日々の開発を推進しています。現在、新規口座開設の約8割は本アプリを経由しており、お客さまからも一定の評価をいただいていると考えています」(紙中氏)
Myセブン銀行アプリの構想は、2017年頃からあった。そこでカギとなったキーワードが「内製化」と「アジャイル」だった。紙中氏は、当時の状況を次のように振り返る。
「当時は、世の中やユーザーニーズの急速な変化に対応するには、内製によるアジャイル開発が不可欠だという考えでアプリ開発の準備を進めていました。『なぜ内製なのか』『本当にできるのか』といった意見もありましたが、イノベーションを推進するセブン・ラボという組織が立ち上がったこともあり、新しいことを始めるにはよいタイミングでした」(紙中氏)
こうして2019年から「Myセブン銀行アプリ」の開発がスタートする。開発体制は決して十分ではなく、内製によるアジャイル開発の仕組み、体制を模索しながらプロジェクトは進行した。そして2020年4月、最初のリリース公開を迎える。ただし、アジャイル開発の真価が試されるのは、アプリが公開されてからだ。それを裏付けるように、リリースから1年後、プロダクト開発チームは、新たなチャレンジに向き合うことになる。
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!