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  • 2021/08/23

「GAFA時代」の銀行員には何が必要? 20代、30代、40代で意識すべきこと

GAFAが金融業に参画するなど、ますます金融業の経営環境は激変している。このような状況で長年の低金利にあえぐ「銀行」において、行員たちはどのようなキャリアを描くべきなのか。GAFAなどグローバルのテック企業とフィンテックに詳しい、米ベンチャー投資家山本 康正氏が、著書『銀行を淘汰する破壊的企業』の中で指摘するのは、「グローバルな視座を持つ」点だ。実際にビジネスの現場で働く銀行員が生き残るための術、言い方を変えると、これからの時代で身に付けておくべきスキルやマインドセットについて紹介する。

米ベンチャー投資家 山本 康正

米ベンチャー投資家 山本 康正

1981年、大阪府生まれ。東京大学で修士号取得後、米ニューヨークの金融機関に就職。ハーバード大学大学院で理学修士号を取得。修士課程修了後グーグルに入社し、フィンテックや人工知能(AI)ほかで日本企業のデジタル活用を推進。日米のリーダー間にネットワークを構築するプログラム 「US Japan Leadership program」フェロー。自身がベンチャー投資家でありながら、日本企業へのアドバイスなども行う。京都大学大学院総合生存学館特任准教授も務める。著書に『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』(講談社)、『2025年を制覇する破壊的企業』(SB新書)などがある。

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「GAFA時代」の銀行員が20代、30代、40代に身につけるべきこととは?
(Photo/Getty Images)

【20代】徹底的に金融の基礎知識を身に付ける

 特に20代前半の方々は、意識が高い人はすでにされていると思いますが、まずは徹底的に金融やファイナンスの基礎知識を身に付けるべきです。中でもスキルの骨子になるのが「ポートフォリオ理論」です。

 会社の研修などでも学ばれているとは思いますが、理論はあくまで机上のものですから、学ぶ際には次のようなことを意識します。

 単に理論を学ぶだけではなく、実際の業務に重ねたり、置き換えたりします。たとえばポートフォリオのアロケート(配分)を決める理論の中で、なぜそのような結論であるかは、数式で証明されています。しかしそこから一歩踏み込んで、分散と期待されるリターンの出元は、実務ではどういった要素なのか。

 あるいは、基本的には存在しないと理論的にはされているアービトラージ(裁定取引)が、なぜビットコインなどの仮想通貨では、あれだけの大きな価格変動を生み、そして使われているのか。このような思考で学びます。

 基礎知識を身に付けるという観点からも、多くの銀行員が取得している「証券アナリスト」の資格もおすすめです。

 もう一つ、私自身も大変ためになった金融工学を学べる書籍、ジョン・ハル氏の『フィナンシャルエンジニアリング』もおすすめです。

 同書を読めば、債券における定量的な分析やオプション取引の価値といった内容を、数学的な観点から学ぶことができます。同書を参考に、金融を工学、数学的な観点で捉えていくと、AIが金融サービスに入ってきたらどうなるのか、そのような思考が身に付きます。

 少し専門的な内容ですので読むのに苦労する人もいるかもしれませんが、市場部門の方だけでなく、営業やその他の銀行員の方にもぜひ、特に若い方にはおすすめしたい一冊です。

 「木ではなく森を見る」。学習を進めていく上では、このようなマインドも重要です。たとえば簿記がいい例です。社会人1年目からスキルや知識をつけようと簿記を学ぶ人が多いようですが、意気込み自体は素晴らしいですが、簿記のようないわゆる“木”の内容をいきなり学んでも、暗記偏重になってしまい、なぜそうなっているのかという理解につながることが少ないと思うからです。

 金融全体のことが分かっていないと簿記の重みというか、内容の真の理解につながらないからです。まずは金融全体のことを学ぶ。そこから簿記など実務で必要な木の部分を学んでいくようにします。

地銀勤務でも「グローバル」に考えるべき理由

 金融はグローバルな内容ですから、国内の知識だけでは不十分です。海外の情報も知ることが重要です。中でも、金融の最先端の場であるニューヨークの状況や情報をピックアップするようにします。

 地銀で働いている方の中には「自分は地方の中小企業が顧客だから関係ない」との思考の人がいるようですが、金融サービスは国境を超えてつながっています。そういった観点からも、地銀にお勤めであっても海外の、特にグローバル最先端のニューヨークでどのような金融事例があるのか、学ぶべきです。

 知識を身に付ける点においては、インターネットを活用すれば、地方も首都圏もそれこそニューヨークもカリフォルニアも関係ありません。実際、ニューヨークの金融マンが学んでいる、ニューヨーク大学やコロンビア大学、UCバークレー校などが提供している金融部門のオンライン講座がおすすめです。同講座を学べば、数年後に日本に入ってくるであろう新しい金融知識などを、いち早く学ぶことができます。

 ただ本音を言えば、直接アメリカのトップ10に入る大学で学んでもらいたい。つまり、留学です。そして留学はいま勤めている金融機関の制度で行くのもいいですが、自費で行くことも無駄ではありません。費用に関しては、同大学にはさまざまな奨学金制度がありますから、利用すれば負担は軽減します。実際、私も奨学金が出ました。

 会社の制度でニューヨークオフィスに勤めていただけでは、自動的にグローバルなビジネスパーソンになるわけではありません。そもそもほとんどのニューヨーカーは、日本のメガバンクの名前を知りません。

 ニューヨークなどのアメリカに留学して学べば、いかに現在の銀行が置かれている状況が、そして日本の状況が厳しいかを、身に染みて分かると思います。その上で、改めて自分のキャリアを見直すきっかけにもなることでしょう。

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「地銀にお勤めであっても海外の、特にグローバル最先端のニューヨークでどのような金融事例があるのか、学ぶべき」
(Photo/Getty Images)

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