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- 2021/08/18 掲載
なぜ「アップル銀行」の誕生は確実視される? 鍵を握るiPhoneの役割とは
創業年/創業者 | 1976年/スティーブ・ジョブズ |
売上高/時価総額 | 約2,745億ドル(約28兆円)/約2兆3,396億ドル(約240兆円) |
キーワード | アップルカード、アップルバンク |
アップルは「金融を再定義」するか
アップルのイベントで颯爽とこのようにプレゼンテーションし、アップルバンクの設立を高らかに宣言する。アップルの金融業界における動向を、私はこのように予測しています。アップルは創業当時より、「○○を再定義する」とのフレーズを好んで使ってきました。「携帯電話を再定義する」と宣言しiPhoneを世に送り出したのは有名ですし、前回の本(『2025年を制覇する破壊的企業』)でも触れたアップルホテルや、おそらくこの先進出するであろう自動車業界においても、「アップルがホテル業界を再定義する」「アップルがモビリティを再定義する」。このようなセンセーショナルで強烈なメッセージとサービスを、世に送り出していくに違いないからです。
アップルが再定義する銀行とは、おそらく次のような世界観だと私は予測しています。
「銀行が整備される以前、人々は自宅に大きな金庫を構えて現金を保管していた。しかし、セキュリティの観点やそのまま保管しておいても何も生み出さないため、銀行に預けることで、よりセキュリティを高めたり、運用によりリターンを得るようになった。銀行はさらに進化し、証券会社とつなぎ株式などの投資商品も扱うようになった。しかしここから先の世界では、銀行だけの専売特許ではなくなる。それは、iPhoneならびにアップルのサービス(ソフトウエア)が、銀行業務のすべてを可能にするからだ」
アップルの「金融サービス」を予測
たとえば、次のようなサービスでしょう。24時間いつでもどこでも、iPhoneからこれまでの銀行サービスはすべて利用できるようになる。資産の運用もAIなどの活用で、これまでよりも確実に、そして高い利率で行えるようになる。運用や出し入れなどの履歴データも、すべてアップルバンクが管理しているため、いつでもiPhoneで簡単に閲覧することができる。まだあります。これはすでにアメリカで始まっているサービスですが、友達への送金はiPhoneを操作するだけで、簡単に終了。セキュリティにおいても、Face IDを活用することで、より強固で確実に、といった具合です。
【次ページ】アップルバンク設立で何が起きるか
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