金融業界においても持続可能性に力点を置いた企業行動や投融資活動が注目されるようになり、ESG(Environment, Social, Governance)への配慮とともに、SDGs(Sustainable Development Goals)達成が関心を集めるようになっている。
特に、ESGでは「環境領域」にあたる「気候変動」、SDGsでは「ゴール13」の「気候変動」の重要性が認識されてきた。その中で、企業のガバナンスとリスクマネジメントの高度化と開示を求めるTCFD(Task force on Climate-related Financial Disclosures)が、G20における議論を受けてFSB(Financial Stability Board=金融安定理事会)によって設立された。TCFDは、2017年6月には最終報告書を公表、賛同する金融機関も増加している。
・ECB(European Central Bank=欧州中央銀行)
ECBは2020年11月に欧州の主要行が気候変動をどのように管理し、開示していくかについての指針を公表した。気候変動は自然災害の増加などで経済に物理的な被害をもたらすだけでなく、産業構造の転換などによって経済と金融に大きな影響を及ぼす可能性がある。
・FRB(Federal Reserve Board=米国連邦準備制度理事会)
FRBは2020年12月に、「NGFS(The Network of Central Banks and Supervisors for Greening the Financial System=気候変動リスク等に係わる金融当局ネットワーク)」に参加表明した。