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- 2021/01/26 掲載
「融資では足りない」、政府と銀行に求められる“デジタル化支援”の現状とは
コロナ禍で存在感を増す銀行、企業をどう支援している?
新型コロナウイルスの感染拡大は、社会経済を根本的に揺るがしている。内閣府が2020年12月に発表した「政治経済見通し」によると、2020年度のGDP成長率は「実質マイナス5.2%程度」「名目マイナス4.2%程度」を見込んでいるという。特に、企業は2020年4月からの緊急事態宣言の影響を受け、資金繰りDI(資金繰りに関する景気動向指数)が4、5月に大きく落ち込み、持ち直しの動きをみせているものの、新型コロナウイルス感染再拡大の影響から足踏みの状況にある。
企業の持続的な経済活動を支援し、経済停滞の緩衝材として存在感を増しているのが銀行だ。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、制度融資やリスケジュール対応などによって企業の資金繰りを支え、多くの倒産回避に大きく寄与している。
帝国データバンクが2020年12月17日に、「国内主要109行の預金・貸出金など実態調査(2020年9月中間期)」によると、2020年9月末の国内主要109行(大手銀行7行、地方銀行64行、第二地方銀行38行)の「貸出金」は、2019年9月末の540兆円から570兆円と、前年比で約30兆円増加している。
その背景には、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う社会情勢の変化が挙げられる。制度融資による資金調達を実施した企業が多数存在したほか、制度融資の対象外となった大企業においても新型コロナウイルス対応として資金調達する動きがあった。
一方、国内主要109行の2020年9月末時点の「預金」は2019年9月末の772兆円から847兆円と、前年比約75兆円増加している。
制度融資では基本的に企業が調達した資金は各企業の口座に入金される点が預金の増加となっている。また、個人には一律10万円が支給された「特別定額給付金」、中小企業・個人事業主向けに支給された「持続化給付金」なども預金増加の要因である。
前年から貸出金による資金調達で約30兆円、資金調達や持続化給付金などで約75兆円増加しており、コロナの影響で経営に苦しむ企業を支えている。
帝国バンクでは「新型コロナウイルス感染拡大の状況の中、銀行を経由して企業に資金が注入されたことは倒産回避の効果がおおいにあった」と分析している。また、銀行の本業である「利ざや」が悪化するなど、延命措置には副作用もある点に留意する必要性も指摘している。
金融機関の実質無利子・無担保融資は30兆円近くに
銀行の貸し出し企業支援・資金繰り支援を目的とした金融機関における実質無利子・無担保融資も大規模になりつつある。日本政策金融公庫・沖縄振興開発金融公庫・商工組合中央金庫による「公的金融機関における実質無利子・無担保融資」は事業規模47兆円。2020年11月1日時点で「71.8万件」「14.0兆円」に上る。
一方、信用保証協会・農林漁業信用基金などの「民間金融機関における実質無利子・無担保融資」は事業規模53兆円で、11月1日時点では「89万件」「15兆円」だった。公的資金の14兆円を合わせると「30兆円」近くとなる。
【次ページ】銀行に求められる「融資を超えた」デジタル化支援
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